米戦略軍司令官、中国は「驚異的な」スピードで核戦力を拡大

2022/04/06
更新: 2022/04/06

米国の核兵器を運用する米戦略軍司令官のチャールズ・リチャード(Charles Richard)大将は5日の議会公聴会で、中国は「驚異的な」ペースで極超音速兵器と核戦力を拡大していると警告した。

米下院の防衛に関する予算小委員会(House Defense Appropriations Subcommittee)はリチャード司令官の公聴会での発言を掲載した。

司令官は、中国が昨年7月、大陸間弾道ミサイルICBM)から発射される極超音速滑空体HGV)の実験を初めて行ったことについて、「戦略の安定性に重大な影響を与えた」とした。

司令官は、米国防総省の防衛や軍事計画は「戦略的抑止力、特に核抑止力に基づいている」と語り、「戦略的抑止力または核抑止力が失敗すれば、総合的な抑止力や国防総省の他のいかなる計画も機能しなくなる」と警鐘を鳴らした。

同司令官によると、昨年の実験では中国のHGVの飛行距離は4万キロに達し、飛行時間は100分間。「各国の陸上攻撃兵器システムの中で、最も長い距離と長い飛行時間になった」という。

米軍関係者が公の場で中国のHGV実験に詳しく言及したのは初めてだ。

同氏は衛星写真を通じて、昨年4月以降、中国は西部地域に3つの新しい核ミサイル発射場を設置したことが判明したと述べた。それぞれの発射場に約120基のミサイルサイロが設けられているという。

司令官は、現在ウクライナを攻撃しているロシアの核兵器の脅威についても述べた。

核保有国である中国とロシアが「あらゆる手段」で「いつでも紛争を一方的にエスカレートさせる能力がある」という状況に関して、司令官は国防総省に対し、「リスクは常に低いという楽観的な仮定を止めた方がよい」と呼びかけた。

リチャード司令官は3月8日、米上院軍事委員会の公聴会でも中露両国による核の脅威について警告を発した。

(翻訳編集・張哲)

張哲
張哲
関連特集: 中国