中国 景気悪化で深刻化する警察汚職 公権力への不信強まる

交通違反も「金次第」 景気悪化で広がる中国警察の腐敗

2026/08/06
更新: 2026/08/06

中国・山西省で、警察官3人が交通違反の取り締まりを悪用し、市民から現金を脅し取っていた事件が明らかになった。交通違反を見逃す見返りに金を受け取る、同様の手口は31件に上る。

2023年には、飲酒運転の疑いで取り締まりを受けた男性に「金を払えば穏便に済ませられる」と持ちかけた後、男性は家族と電話をした末に取り乱して車道へ飛び出し、車にはねられて死亡した。

捜査では、3人は飲酒運転だけでなく、無免許運転や車検切れ、ナンバープレート隠し、過積載などの交通違反についても、金と引き換えに見逃していたことが判明した。

裁判所は3人に収賄罪と職権乱用罪で有罪判決を言い渡したが、主犯格2人の実刑はわずか1年、もう1人も11か月だった。この判決に、中国のネット上では「人が死んでいるのに軽すぎる」「これでは警察犯罪を助長するだけだ」と批判が相次いでいる。

今回の事件は、中国で近年深刻化する公権力の腐敗を象徴するものでもある。

中国では景気悪化で地方財政が厳しさを増す中、警察や司法当局が職権を利用して金銭や企業資産を狙う事件が各地で相次いでいる。

代表的なのが「遠洋捕撈(えんようほろう)」と呼ばれる手法だ。本来は遠洋漁業を意味する言葉だが、現在では地方警察が他地域の企業や経営者を越境して摘発し、会社の資産を差し押さえたり、高額な示談金や罰金を事実上要求したりする行為を指す俗称として定着している。

一方、当局は警察の不祥事が発覚すると、「補助警察(輔警)」による不正だったと説明するケースも少なくない。

しかし今回は現職警察官による犯行だったことから、ネット上では「いつも補助警察のせいにしてきたが、結局やっていたのは正規の警察官だった」「問題なのは一部の警察官ではなく警察組織そのものだ」といった声も相次ぎ、公権力への不信が一段と強まっている。

 



「最初から仕組まれた罠」 財政難が生んだ中国・地方政府の新手口

「最初から仕組まれた罠」と批判される、中国の地方政府による新たな金儲けの手口。財政難を背景に生まれた、その驚くべき実態を追った

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!