米チップ供給同盟 韓国政府が態度保留か

2022/04/12
更新: 2022/04/12
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世界的な半導体チップ不足が起きているなか、一部の報道によると、米国は日本、韓国、台湾とチップサプライチェーンの構築を目指しているが、韓国政府は現時点で態度を保留しているという。

韓国メディア「ソウル経済」は先月末、業界・政府筋の話として、バイデン政権が最近、韓国政府及び大手半導体企業にチップ供給同盟「チップ4(Chip4)」の設立を提案し、日本、台湾にも同様の提案を行ったと報じた。

同報道は、グローバルのチップサプライチェーンから中国を排除する「半導体の壁」を築く狙いがあると指摘する。ただ、半導体分野で中国と緊密な関係にある韓国政府と企業は提案を受け入れる可能性が低いとした。

韓国の経済ニュースサイト「ビジネス・コリア」も韓国政府の「チップ4」同盟参加の可能性はほぼないと報じた。

いっぽう、中韓貿易に詳しい韓国国立釜慶大学の徐暢培教授はボイス・オブ・アメリカ(VOA)に対し、「政府は提案を完全に拒否しているわけではない」と報道を否定した。韓国政府は態度を明確にしていないが、米国と話し合いを続けているという。

半導体チップは、バイデン政権のサプライチェーン再構築計画の4つの重点分野の1つである。

今年初めの米国半導体産業協会の報告によると、中国の2020年のチップ売上は世界市場の9%を占め、5位の台湾を抜き、日本やEUとの差は1ポイントに縮まった。24年には中国のシェアは17.4%に達し、米国、韓国に次ぐ第3位になると予測している。

中国は現在、韓国の半導体産業の重要な生産拠点と輸出先でもある。半導体大手のサムスンやSKハイニックスは中国に工場を設置している。SKハイニックス無錫工場(江蘇省)は同社の50%のDRAMを製造している。

米国への進出も拡大している。現在建設中のサムスン・テキサス州工場は生産開始後、人工知能、5Gなどハイテク産業に使用する次世代の半導体を製造する計画だ。SKハイニックスは米西部で研究開発センターを新設した。

中国のビジネス環境の悪化や地政学的リスクなどを背景に、今後、韓国企業のビジネスの中心が徐々に米国に移行する可能性があるとみられる。

韓国・仁川国立大学商学部の洪起用教授は、韓国半導体企業は重心を米国にシフトしつつも、中国市場から完全に撤退することはないと米VOAに話した。「なんと言っても中国の市場は大きいためだ」

洪教授は、政府の企業への影響が限定的だとして、韓国のユン・ソギョル(尹錫悦)新政権がチップ同盟の参加をめぐって現在の方針を維持すると予想している。

台湾・国立中興大学国際政治研究所の盧信吉氏はVOAに対し、韓国は現段階で態度を保留しているが、「米政府から国家安全保障上の約束を取り付けることができれば、韓国はチップ4の参加を前向きに検討するだろう」と述べた。

 

 

翻訳編集・叶子静/李沐恩