日本、国連安保理の非常任理事国に選出 官房長官「安保理改革に弾みをつける」

2022/06/10
更新: 2022/06/14

国連安全保障理事会(安保理)の非常任理事国を決める選挙が9日、国連総会で行われ、日本は加盟国で最多となる12回目の当選を果たした。松野官房長官は記者会見で「常任理事国入りを含む安保理改革に弾みをつけていきたい」と述べた。

安保理は米露英仏中の5つの常任理事国と、任期2年の非常任理事国10か国から構成される。9日の選挙では日本に加え、エクアドル、スイス、マルタ、モザンビークが選出された。任期は2023年1月1日から2年間。

国際社会の平和と安全の維持を主要な責務とする安保理だが、「有効に機能できていない現状にあり、今まさに試練の時と言える」と松野氏は指摘する。常任理事国のロシアのウクライナ侵攻、北朝鮮による度重なる安保理決議違反、中国による軍事的圧力など、問題は山積する。

こうしたなか、非常任理事国として最も多くの経験を持つ日本が、世界各地の紛争への対応に加え、安保理の権威や信頼の回復に向けどのような役割を果たしていけるのか注目されている。

外務省は外務大臣談話を発表し、「普遍的価値を守り抜き、国際社会を主導する覚悟をもって各国と緊密に連携していく」と述べた。また、安保理改革に引き続き積極的に取り組み、国連での議論をリードしていく考えを示した。

松野氏は「日本が国際の平和と安全の維持に貢献する意思と能力を示し、実績を積むことで、日本の常任理事国入りを含む安保理改革に弾みをつけていきたい」と述べた。そして、安保理のみならず総会を含む国連全体の機能強化にも努めていく考えを示した。

また、「ロシア及び中国の拒否権行使による安保理決議案の否決は、拒否権の問題を改めて浮き彫りにした。国連安保理は創設以来75年以上経過した。国際社会の現実を反映するよう改革し、増大する国際社会の諸話題についてより効果的に対処できるようにすべきであり、わが国は長年その必要性を訴え、積極的に活動してきている」と述べた。

政治・安全保障担当記者。金融機関勤務を経て、エポックタイムズに入社。社会問題や国際報道も取り扱う。閣僚経験者や国会議員、学者、軍人、インフルエンサー、民主活動家などに対する取材経験を持つ。
関連特集: 外交