2019年10月1日、中国・北京の天安門広場で行われた軍事パレードで公開された、核弾道搭載型大陸間弾道ミサイル「DF-41」(GREG BAKER/AFP via Getty Images)

「核戦争に勝者はいない」 米中露など核保有5か国が共同声明 中国共産党政権の信頼性には疑問の声も

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核兵器保有国であり、国連安保理の常任理事国でもある米中露英仏の5カ国は3日に共同声明を発表し、核兵器保有国同士の戦争と軍備拡張を避けることを表明した。しかし、中国共産党政権が約束を守った実績はほとんどないため、共同声明には参加していても信用するに値しないと評論家は警鐘を鳴らしている。

5カ国は声明の中で「核兵器保有国同士の戦争の回避と、戦略的なリスクの軽減が最も重要な責務だ」「核戦争に勝者はいない」と指摘した。また、「核兵器の使用は広範囲に影響を及ぼすため、その使用は自国の防衛、侵略の抑止、戦争の防止を目的とする場合に許可されるべきだ」としている。

米国を拠点とする中国問題評論家の唐靖遠氏は同日、「中国共産党政権にとって、この共同声明はただの紙切れであり、遵守するつもりはないだろう」と大紀元に語った。

中国共産党政権が約束を守らなかった最新の事例は、2020年に結ばれた米中経済貿易協定の第1段階だ。双方は、中国が2021年11月までに合計3564億ドルの米国の財・サービスを購入する約束を結んだ。しかし、実際は6割程度の2219億ドルしか達成されていない。

「中国共産党政権は二国間協定の義務すら果たさなかった。それが多国間の協定に基づいて行動すると誰が信じるだろうか」と唐氏は強調した。香港の民主主義体制を50年間維持することを取り決めた「英中共同宣言」があるにもかかわらず、わずか20年ほどで共産化した事例を取り上げた。

唐氏は、中国共産党がこの共同声明を利用して西側諸国を油断させ、体制の真の目標を秘密裏に進めるかもしれないと分析する。

米国科学者連盟(FAS)の研究者たちは昨年7月、衛星画像から、中国が新疆ウイグル自治区に大陸間弾道ミサイルICBM)など大型ミサイルを収納する格納庫を約250個建設していると推定した。ミサイルは核兵器搭載可能なタイプであり、「中国は核兵器の保有数と発射能力を拡大している」とFASは結論づけた。

米国防総省の昨年11月の報告書で、中国軍は2027年までに700発、2030年までに1000発の運搬可能な核弾頭を持つと推計している。軍縮・軍備管理・不拡散交渉も進まぬまま「中共は極超音速滑空ミサイルの改良も進めている」と唐氏は付け加えた。

核保有国5カ国が核軍縮に関する共同声明を発表するのは極めてまれだ。

唐氏は「中国が本当に軍縮を望んでいるならば、なぜ核弾頭の製造を加速させるのか」と共同声明の内容に相反する行動を指摘する。

アジアを専門とする経済学教授アントニオ・グレースフォ氏も、中国共産党政権が共同声明で約束したことを実現することについて否定的な意見を持っている。

「中国はいつも他国の核武装解除を訴えているが、自国の核武装を継続して推進している。中国がグリーンエネルギーや環境汚染の削減を訴えながら国内では汚染を垂れ流しているのと同じ構図だ」とグレースフォ氏は3日、大紀元に語った。

米国科学者連盟(FAS)によると、米国は約5600個、ロシアは6257個の核弾頭を保有しており、この2カ国で世界の核弾頭総数の約91%を占める。5大核保有国の他にもパキスタン、インド、イスラエル、北朝鮮が核弾頭を保有しているが、増加スピードは中国が最も早いとされる。