「メーデー連休」こと中国の5月の大型連休、今年は、例年以上に賑わったと政府は発表したが、実態は「窮遊(貧乏旅行、低予算旅行)」の広がりや経済の失速が露呈したといわれている。
香港では、中国本土からの観光客が宿泊費を浮かせるため、24時間営業のマクドナルドで夜を明かす姿が相次いで確認され、SNSでは「公共空間の侵害だ」と批判が殺到。店内の座席が寝泊まり客に占拠され、一般の利用者が座れない状況も発生し、地元住民の不満が渦巻いた。
香港でも、中国本土でも「人は集まっても金は落ちない」という現象が目立つ。

中国本土の映画業界も苦戦を強いられた。連休中の興行収入は、前年比で半減、観客動員も激減し、「観たい映画がない」との声が続出。13本中3本が公開中止に追い込まれるなど、消費の冷え込みが数字としても明確に表れた。
その一方で、中国文化観光省は6日「旅行者3.14億人、国内旅行支出が、前年同時期比8%増の1802億元(約3兆6千億円)」と発表しているが、ネット上では「統計の水増しだ」「数合わせの茶番」といった批判が噴出し、虚構の経済回復演出に対する市民の不信感が一層高まった。
さらに、SNS映えを狙った『人工観光地』も失望を呼んだ。「廊坊の富士山」「法老の祕境」「リトルスイス」などと称される景勝地は、加工写真と現実のギャップが大きく、「10分で見終わった」「看板倒れ」「金と時間の無駄」といった声が続出し、異国情緒をうたう『張りぼての夢』は、かえって現実の空虚さを際立たせた。
いくら盛況を装っても、中国社会は消費が失速、政府への信頼も失われ、その足元は隠しきれないほど脆くなっている。

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