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中国「メーデー連休」 盛況を装っても隠しきれない経済の失速

2025/05/08
更新: 2025/05/08

「メーデー連休」こと中国の5月の大型連休、今年は、例年以上に賑わったと政府は発表したが、実態は「窮遊(貧乏旅行、低予算旅行)」の広がりや経済の失速が露呈したといわれている。

香港では、中国本土からの観光客が宿泊費を浮かせるため、24時間営業のマクドナルドで夜を明かす姿が相次いで確認され、SNSでは「公共空間の侵害だ」と批判が殺到。店内の座席が寝泊まり客に占拠され、一般の利用者が座れない状況も発生し、地元住民の不満が渦巻いた。

香港でも、中国本土でも「人は集まっても金は落ちない」という現象が目立つ。

 

「貧乏旅行」現象のイメージ。画像は連休中の旅行先での宿泊費を浮かせるためにテントを張る中国市民(スクリーンショット)

 

中国本土の映画業界も苦戦を強いられた。連休中の興行収入は、前年比で半減、観客動員も激減し、「観たい映画がない」との声が続出。13本中3本が公開中止に追い込まれるなど、消費の冷え込みが数字としても明確に表れた。

その一方で、中国文化観光省は6日「旅行者3.14億人、国内旅行支出が、前年同時期比8%増の1802億元(約3兆6千億円)」と発表しているが、ネット上では「統計の水増しだ」「数合わせの茶番」といった批判が噴出し、虚構の経済回復演出に対する市民の不信感が一層高まった。

さらに、SNS映えを狙った『人工観光地』も失望を呼んだ。「廊坊の富士山」「法老の祕境」「リトルスイス」などと称される景勝地は、加工写真と現実のギャップが大きく、「10分で見終わった」「看板倒れ」「金と時間の無駄」といった声が続出し、異国情緒をうたう『張りぼての夢』は、かえって現実の空虚さを際立たせた。

いくら盛況を装っても、中国社会は消費が失速、政府への信頼も失われ、その足元は隠しきれないほど脆くなっている。

 

SNS映えを狙った中国の「看板倒れ」の人工観光地。画像(左)は「廊坊の富士山」画像(右)は「リトル・スイス」(スクリーンショット)

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!