陝西省西安市で、市の財政局が認可した国債販売機関が突如営業停止となり、数千人の投資者が換金できない事態に陥った。
被害総額は100億元(約2千億円)を超えるとみられ、被害者たちは「銀行のような建物と政府の看板で信用させられた。政府主導の詐欺だ」と怒りと絶望の声を上げている。
問題の国債販売機関(「経緯国債サービス部」)は1996年に設立され、長年にわたって「西安市財政局の正式機関」として信頼を得ていた。実際、関係者には財政局職員の家族も含まれており、国が保障する安全な投資先として多くの高齢者が資金を預けていた。
ところが、2024年3月末に突然営業を停止し、その後は警察による捜査名目で施設が封鎖された。営業停止の直前まで3年契約で新たなテナントを借り、豪華な内装工事まで進めていたという。
以降、投資被害者らは西安市政府や財政局の前でデモ抗議を連日のように続けている。
(抗議する投資被害者)
「カネを返せ!」と叫ぶ群衆には、農村から出てきた老夫婦、生活費が尽きた年金生活者、そして「孫の学費を預けていた」と涙を流す祖母の姿もある。しかし、当局の対応は冷酷だ。
参加者の中には公安に拘束された者もおり、正義のために立ち上がった弁護士も一時拘束され、5日間のハンガーストライキを経てようやく解放された。
投資被害者たちは監視下に置かれ、「北京へ陳情に行こうとすると直ちに妨害される」と訴える。
当局による正式な説明がないまま、抗議の声はSNSで検閲され抑え込まれている。現地ではまさに「統制された沈黙」が広がっている。
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