【ニュースレターが届かない場合】無料会員の方でニュースレターが届いていないというケースが一部で発生しております。
届いていない方は、ニュースレター配信の再登録を致しますので、お手数ですがこちらのリンクからご連絡ください。

米越関税交渉 中国の迂回輸出阻止へ

2025/06/06
更新: 2025/06/06

ロイター通信が6月3日に報じたところによれば、アメリカはベトナムとの関税交渉において「強硬かつ困難な」一連の要求を提示し、その中にはベトナムがあらゆる面で中共への依存を縮小する方針が含まれている。

この報道によると、事情に詳しい関係者の証言として、ワシントンはベトナムに対し、中国由来の原材料や部品の使用を抑制し、中国製品が米国市場へ輸出される際の関税逃れとしてベトナムが利用される「迂回輸出」の拠点とならないよう求めた。また、対中投資依存の抑制も含まれている。

トランプ大統領は4月2日に相互関税措置の実施を発表し、ベトナムには46%の関税が課された。これまでにアメリカとベトナムは2回の関税交渉を行い、2回目は5月末に終了したばかりだ。

ロイター通信は6月2日、米通商代表部(USTR)が各国に送付した書簡を引用し、トランプ政権が貿易交渉における最良案を6月3日までに提示するよう各国に求めていると報じた。

現時点では、ベトナム当局がワシントンの要求にどのように対応したのか、自国案を3日に提出したのかについて明確な情報はない。

報道によれば、ベトナムがアメリカの要求に応じ、中国依存を実質的に削減し、一定の「デカップリング」を実現した場合、ベトナム経済は深刻な課題に直面する可能性がある。それというのも、ベトナムの製造業は急拡大を遂げており、中国の原材料や部品の供給網と極めて強く結びついているためだ。

また、この動きは、長年維持してきた中共との友好政策にも影響を及ぼす可能性がある。中国はベトナムにとって主要な外資供給国である一方、南シナ海の主権問題では安全保障上の対立の根源ともなっている。

2018年、トランプ氏が初の大統領任期中に対中貿易戦争を開始して以降、一部の製造業者は生産拠点を中国からベトナムに移し、ベトナムの対米輸出はほぼ2倍に急増した。

アメリカ・ベトナム両国の統計によると、長年にわたりベトナムの対中輸入額は対米輸出額とほぼ同水準で推移しており、その変動幅も一致している。

この状況を踏まえ、アメリカ当局はベトナムが中国製品の対米輸出における「迂回拠点」となっていると繰り返し批判してきた。いくつかの製品には「ベトナム製」と表示されているが、実際には中国で生産されたものであり、ベトナムが中国業者の関税回避手段として利用されている構図が見て取れる。

最新の統計によれば、4月のベトナムの対米輸出および中国からの輸入は、いずれも過去最高水準に達した。