中国・甘粛省で発覚した幼児200人超の鉛中毒事件が波紋を広げる中、中国製の格安スマホケースや子供用サンダルからも有害物質が続々と検出され、消費者の間に不安と怒りが広がった。
中国・甘粛省天水市の幼稚園で、200人以上の幼児が鉛中毒と診断された事件は、当局の曖昧な説明と家族への圧力により、全国的な怒りを呼んだ。発表された原因は「食用不可の塗料を食材に混入した」とするものだったが、鉛鉱山による環境汚染や水質汚染の疑いが拭えず、真相究明を求める声がやまない。
同時に、中国の通販サイトでおなじみの「9.9元包郵(約200円で送料込み)」という格安商品の代名詞ともいえるこの価格帯のスマホケースから、国家基準の30倍もの鉛を検出した。

開封直後から強烈な化学臭を放ち、使用時にスマホが発熱するとさらに異臭が強まるとの報告が相次いだ。背景には、コスト削減のために医療廃棄物や電子ゴミが原料として再利用されている実態が指摘されており、長期間の使用によって、骨の異常や腎疾患など深刻な健康被害を引き起こす恐れがあるとしている。
有害製品は、スマホケースだけにとどまらない。子供向けのサンダルや玩具からも、これまでに同様の有害物質を検出しており、消費者の怒りと不信は一層高まっている。
中国の環境団体の調査では、中国主要ECサイトで売れ筋上位だった50点の子供用サンダルのうち約半数から基準を大幅(平均365倍)に超える有害物質「フタル酸エステル」を検出した。これは性早熟や発達障害、アレルギー、さらには生殖機能への悪影響が指摘される有害物質で、SNSでは不安と怒りが噴き上がった。
専門家は「利益優先と監督不全がもたらした結果だ」と警鐘を鳴らす。監督当局の機能不全と企業との癒着が市民の健康を脅かしており、根本的な是正が求められ、鉛中毒事件の真相究明も、有害製品の根絶も、「利益より人命」を優先しない限り、同じ悲劇は何度でも繰り返されるだろう。
過去には、食用油を石油用タンクローリーで輸送した事件や毒ミルク事件など、数えきれないほどの「毒」スキャンダルが暴かれてきたが、いずれも根本的な解決には至っていない。
そして、それら中国製品は、今も日本に大量に流入し、「毒にまみれた中国製品」、この問題は、もはや他人事ではない。


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