湖南省華容(かよう)県で7月14日、バイクに乗った村民がヘルメット未着用を理由に交通警察2人に追跡され、自宅前で催涙スプレーと警棒で暴行を受け死亡した。
激怒した村民らが交通警察を取り囲んだため、大量の公安が出動し、暴行に関与した2人の交通警察を現場から救出する事態となった。翌日には村民が横断幕を掲げて抗議デモを行った。

事件の映像はSNSで拡散し、「家まで追って殴り殺すとは殺人だ」と非難が噴出した。当局は「熱中症や持病が原因」と釈明したが、村民やネット世論は納得せず、真相究明と加害者への厳罰を求めた。
(当時の様子。交通警察の暴行で死亡した村民と激怒した村民に囲まれた交通警察を救出するため出動した大勢の公安、2025年7月14日、湖南省華容県)
一方、山東省濰坊(いほう)市では10日、車両検問中の交通警察に、男が中華包丁で斬りつける事件が発生した。

中国では、交通警察が地方当局の「財源確保」の手段と化し、無差別かつ恣意的な検問や罰金、車両の押収・転売が横行し、そのため、生活苦にあえぐ人々の不満は限界に達し、交通警察への暴力事件が相次いだ。
ネット上には、検問に引っかかった運転手が交通警察を斬りつけたり、大型車が検問所に突進する映像が次々と投稿されて、もはや「取り締まり」か「略奪」か、その境界さえ見失われつつある。
(検問に遭った男が交通警察を路上で斬り倒し、複数の交通警察と対峙した。2025年7月10日、山東省濰坊市)
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