三菱自動車は2025年7月22日、中国でのエンジン生産を終了し、中国市場から完全に撤退すると正式に発表した。同社は現地の合弁会社「瀋陽航天三菱汽車発動機製造有限公司(SAME)」との合弁関係を解消し、約27年にわたる中国本土でのエンジン事業に終止符を打つ見通しだ。
同社は1997年、中国の自動車メーカーと共同で合弁会社を設立し、1998年から現地でエンジン生産を開始した。自社ブランド車両のみならず、中国メーカーへもエンジンの供給を続け、長年現地事業の基盤づくりに努めてきた。しかし中国市場は近年、電気自動車(EV)の普及拡大や現地メーカーによる競争激化により、従来型ガソリン車の需要が大きく減少している。
三菱自動車は2023年3月に現地での完成車生産から撤退していたが、今回のエンジン生産終了をもって、中国事業から完全に撤退する形となった。今後は経営資源を成長が見込まれる東南アジア市場などに集中する方針を明らかにしている。
今回の三菱自動車の撤退は、中国自動車市場の大きな環境変化に加え、同社の経営戦略見直しが影響している。日本の自動車メーカーが直面するグローバル競争の新たな転換点といえる動向だ。
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