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岩屋外務大臣「パレスチナ国家承認には慎重姿勢」 二国家解決への支持は明言

2025/07/31
更新: 2025/07/31

岩屋毅外務大臣は29日、フランスのマクロン大統領がパレスチナを国家として承認する方針を示したことについて、定例の記者会見で日本政府の立場を改めて説明した。

岩屋大臣は、「日本は『二国家解決』を一貫して支持しており、パレスチナ国家の樹立に向けたパレスチナの人々の希望や努力も理解し、支援してきた」と述べた。また、現地情勢や国際的な議論について「高い関心を持って注視している」としながらも、日本がパレスチナを国家として承認するについては「その適切な時期や態様を含めて、引き続き総合的な検討を行っていく」として、現時点では明確な承認には踏み切らない姿勢を示した。

フランスのマクロン大統領は24日、9月の国連総会でパレスチナを国家として正式に承認する意向を表明し、G7諸国では初の動きとなった。背景には、ガザ情勢の深刻化とフランス国内での和平を求める声の高まりを受け、人道的配慮と中東和平への外交的プレッシャーがある。

これに対し、イスラエルのネタニヤフ首相は「10月7日のハマスによる虐殺の後にパレスチナ国家を承認することはテロへの報奨であり、ガザのようなイランの代理国家を生むリスクがある」と強く非難。米国のルビオ国務長官も「パレスチナ国家の承認はハマスのプロパガンダを助長し、2023年10月7日の被害者への侮辱となる無謀な決定だ」として、フランスの方針を批判している。

岩屋大臣はフランスの動きに関し「和平の進展を後押しする観点から考えたい」と述べ、パレスチナ国家承認には国際社会の情勢や和平進展が重要であることを強調した。さらに、2025年7月11日にマレーシアで行われた「パレスチナ開発のための東アジア協力促進会合(CEAPAD)」では議長を務め、人道支援や復興支援の行動計画についても議論したと述べた。CEAPADは2013年、日本が東アジア諸国に呼びかけて立ち上げたパレスチナ支援の地域枠組みであり、日本としての独自の外交努力を強調した。

パレスチナ自治政府のムスタファ首相との会談でも、岩屋大臣は「二国家解決」の支持と中東和平実現への日本の強いコミットメントを伝えた。ムスタファ首相も日本の立場を高く評価し、今後も緊密に協力していくことで一致した。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます