令和8年5月3日、ケニアを訪問中の茂木外務大臣は、ウィクリフ・ムサリア・ムダバディ内閣筆頭長官兼外務・ディアスポラ担当長官と約1時間20分にわたり外相会談を実施した。日本がケニアの地で「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を提唱してから10年という節目の年を迎え、自由や法の支配といった基本的価値を共有する重要なパートナーとして、二国間関係を一層強化していく方針が確認された。
本会談の主な成果は以下の通りである。
1. FOIP推進とインフラ・経済分野での協力
茂木大臣からFOIPの「進化」について詳細な説明がなされた。具体的には、地政学的な競争激化やグローバルサウスの台頭といった国際秩序の構造的変化に適応し、域内各国が自らの運命を自ら決めるための「自律性」と「強靱性」を身につける重要性が強調された。そのための3つの重点分野として、(1)エネルギー・重要物資のサプライチェーン強靱化を含む「AI・データ時代の経済エコシステムの構築」、(2)「官民一体での経済フロンティアの共創とルールの共有」、(3)地域の平和と安定のための「安全保障分野での連携」拡充が提示され、これらを通じてインド太平洋地域全体が「共に、強く豊かになる」ことを目指す方針が示された。
この進化したFOIPの実現に向け、ケニアとの間で具体的な協力を進めることが確認された。経済面では、日系企業のケニア進出の活発化を踏まえ、日本側からビジネス環境整備への協力が要請された。また、FOIPにおける協力の象徴であるモンバサ地域の開発について、日本が官民を挙げて取り組む意向を表明し、両大臣はモンバサ港を含む重要インフラ開発において引き続き協力することで一致した。

2. 安全保障協力の強化(初のOSA実施に向けた合意)
安全保障分野においては、現在実施に向けて調整が進められているケニアへの初の政府安全保障能力強化支援(OSA)について協議が行われた。両大臣は、同支援の円滑な実施に向けて協力していくことで一致し、両国間の安全保障協力をさらに強化していく方針を確認した。
3. 国際場裡における連携
茂木大臣は、国際社会が複雑な課題に直面する中、日本とアフリカの絆はかつてなく重要であると強調し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けてケニアと共に取り組む意向を示した。両大臣は、現下の中東情勢や東アジア情勢を含む地域情勢、さらに国連安保理改革等の国際社会の諸課題について意見を交わし、今後も国際場裡における連携や協力を強化していくことを確認した。
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