中国国営テレビ・CCTVが、中秋節(10月6日)の天気予報で昨年とまったく同じデータを使っていたことが明らかになった。
ニュースで杭州は「最高21度の爽やかな秋日」と報じられたが、実際は37度の猛暑日だった。つまりCCTVは「去年の天気を、今年も再放送していた」のである。
騒ぎを受けて、気象メディアの担当者は「技術トラブルがあり、番組内容に問題が出た」と釈明した。しかし、国民の不信感は消えない。
(天気予報で昨年のデータを流用していたことが判明したCCTVのニュース映像。画面上が2024年10月5日、画面下が2025年10月5日の放送を比較したもの)
というのも、今回のデータ再利用は「ただのミス」かもしれないが、国民が信じないのには理由がある。それは「いつも都合のいい方向に間違う」
そんな前科が積み重なっているからだ。
CCTVと気象当局はこれまでも、台風報道で風速を「控えめ」にし、上陸地点を「修正」するなど、被害を小さく見せる報道を繰り返してきた。理由はいうまでもなく、政府の防災失策を隠すためである。
いまや中国のネットでは、「この国では天気予報も、官製メディアの報道も、句読点すら信用できない」という皮肉が定番だ。
なぜ天気まで信じられないのか。それは、晴れや雨すら政治の都合で変わる国だからである。

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