1月3日の攻撃後、米国がベネズエラの指導者ニコラス・マドゥロとその妻を拘束し、麻薬密売の罪で起訴したことを受け、世界の指導者たちが反応を示した。アルゼンチンとエクアドルの首脳は米国の作戦を支持している。
アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領が共有した政府声明では、「アルゼンチン共和国政府は、ベネズエラにおける最近の行動において、アメリカ合衆国大統領とその政府が示した決断と決意を高く評価する。この行動により、アルゼンチン政府が8月26日にテロ組織と宣言した『太陽のカルテル』のリーダーである独裁者ニコラス・マドゥロの拘束に至った」と述べられた。
また、「アルゼンチンは、これらの出来事が地域を蝕む麻薬テロに対する決定的な一歩となり、同時に、ベネズエラ国民が民主主義を完全に回復できる新しい章が開かれることを確信している」としている。
エクアドルのダニエル・ノボア大統領は、X上でベネズエラ国民と野党勢力に向けた公開声明を出し、「自国を取り戻す時が来た」と述べ、「エクアドルという味方が君たちにはいる」と付け加えた。
米国の比較的迅速な軍事行動は、この地域と地政学的秩序に長期的な影響を及ぼす可能性がある。米国の主要なライバルである中国、ロシア、イランは非難の声を上げた。
イランの最高指導者アリ・ハメネイ師は、ベネズエラへの攻撃後の声明で、「国の問題の解決策は米国との交渉にあると主張していた者たちは、何が起きたかを目にすることになった」と述べた。
ラテンアメリカに多額の投資を行い、ベネズエラ産原油の主要な輸出先となってきた中国にとって、経済的・地政学的な余波はどれほどになるのか現在の時点では不透明である。トランプ大統領は1月3日の記者会見で、ベネズエラの石油産業への米国の実質的な関与を予告した。
米当局者は、マドゥロ氏が方針を転換する複数の機会を拒否した結果、軍事行動に至ったと述べた。JD・バンス副大統領は1月3日、「大統領は何度も出口戦略(オフランプ)を提示したが、このプロセスを通じて一貫していたのは、麻薬密売を止め、不当に占有している石油を米国に返還しなければならないということだ」と語った。
トランプ氏は1月3日の記者会見で、「安全で適切かつ慎重な移行ができる時まで」、米国が一時的にベネズエラを統治すると述べた。また、マドゥロ氏の副大統領であるデルシー・ロドリゲス氏がワシントンへの協力に同意したと付け加えた。
トランプ氏は記者団に対し、ロドリゲス氏は「ベネズエラを再び偉大にするために我々が必要と考えることを行うことに、基本的に意欲的である」と述べた。
しかし、ロドリゲス氏自身はマドゥロ氏の釈放を求め、彼こそが国の正当な指導者であるとも述べている。
一部のラテンアメリカの指導者や国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、米国によるベネズエラでの作戦が国際法に抵触した可能性があるとして懸念を表明した。
複数の国が国連安保理の緊急会合を要請している。非常任理事国として加わったばかりのコロンビアは、この攻撃を非難した。
ベネズエラへの攻撃後、トランプ氏はコロンビアのグスタボ・ペトロ大統領に対し、慎重に行動すべきだと釘を刺した。一方でルビオ国務長官は、ベネズエラの次はキューバである可能性を示唆した。「もし私がハバナに住み、政府の中にいる人間なら、少なくとも少しは心配するだろう」とルビオ氏は語った。
コロンビアやキューバの指導者が米国の作戦を非難したほか、メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領も、自国政府は「軍事行動を強く非難し、拒絶する」と述べ、米国の行動は国連憲章第2条への違反であるとの考えを示した。
シェインバウム氏は「外交方針と平和主義の理念に基づき、メキシコは国際法および国連憲章の原則と目的を尊重し、ベネズエラ政府および国民に対するいかなる侵略行為も停止するよう緊急に求める」と述べた。
トランプ氏はフォックス・ニュースに対し、メキシコはカルテル(麻薬カルテル)によって支配されており、根絶するために米国の助けが必要かどうかシェインバウムに繰り返し尋ねたが、彼女は拒否したと語った。「だから、我々は何かをしなければならない」とトランプ氏は述べ、メキシコから米国に流入する薬物によって多くの米国人が死亡していることを強調した。
ヨーロッパ、カナダ、オーストラリアの反応
欧州連合(EU)のカヤ・カラス外交安全保障政策上級代表は、ルビオ国務長官と会談したことを認め、「EUはベネズエラの状況を注視している」と述べた。カラスは氏、マドゥロ氏には大統領としての正当性が欠如しているという立場をEUは維持しつつも、自制と国際法の遵守を求めていると付け加えた。
「EUはマドゥロ氏には正当性が欠如していると繰り返し表明しており、平和的な移行を支持してきた」とカラス氏はXに投稿した。「いかなる状況においても、国際法の原則と国連憲章は尊重されなければならない。我々は自制を求める。現地にいるEU市民の安全が我々の最優先事項である」
他のヨーロッパ諸国の指導者やカナダもカラス氏と同様の立場を表明しており、多くは米国が主導するとした移行期間について、慎重な言い回しで懸念を示した。米国の作戦の合法性に懐疑的な姿勢をより明確にする者もいれば、支持を表明する者もいた。
英国のキア・スターマー首相は、英国はこの攻撃に関与していないと述べ、トランプ氏と対話したいという意向を示した。
スターマー氏は英国メディア向けの声明で、「明らかに事態は急速に動いており、すべての事実を確認する必要がある」と述べた。
また、SNS上の声明で、英国は「ベネズエラの権力移行を長年支持してきた」としつつも、英国政府は「国際法」を支持し、「ベネズエラ国民の意志を反映した正当な政府への、平和的な移行」を望んでいると付け加えた。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領はSNS上で、ベネズエラ国民はマドゥロ氏の独裁が終わったことを「喜ぶしかない」と投稿した。また、今後の移行は平和的かつ民主的でなければならないとし、2024年の選挙の正当な勝者と呼ぶ野党勢力のエドムンド・ゴンサレス・ウルティア氏が「速やかにこの移行を確実なものにすること」への期待を表明した。
ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は、マドゥロ氏が2024年の選挙を操作したことを非難し、ドイツはマドゥロ氏をベネズエラの正当な指導者として認めていないと述べた。しかし、ベネズエラにおける米国の作戦の合法性については、さらなる精査が必要だとした。
「米国の介入に関する法的評価は複雑であり、慎重な検討を要する。国際法が指針となる枠組みであることに変わりはない」とメルツ氏は述べた。「現段階では、ベネズエラの政治的不安定化は避けなければならない。目標は、選出された政府への秩序ある移行だ」
イタリアのジョルジャ・メローニ首相は、他国への軍事介入は本来正しい手法ではないとしつつも、麻薬密売に関わる国家による「ハイブリッド攻撃(非正規の手段を用いた攻撃)」から身を守るための「自衛的な介入」であれば、正当化されるとの見解を示した。
「イタリアは、主要な国際パートナーとともに、マドゥロの自称当選を一度も認めておらず、政権による抑圧行為を非難し、民主的な移行を求めるベネズエラ国民の願いを一貫して支持してきた」とメローニ氏は語った。
カナダのマーク・カーニー首相は、ベネズエラに「自由の機会」が訪れたことを歓迎すると述べたが、すべての当事者が「国際法を尊重する」必要があるとし、平和的で「ベネズエラ主導」の移行プロセスを求めた。
オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は、自国は「民主主義の原則を尊重する必要性を含め」、ベネズエラの状況を長年懸念してきたと述べた。その上で、政府として「地域の安定を確保し、事態の拡大を防ぐために、すべての当事者に対し対話と外交を支持するよう促す」と付け加えた。
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