米上院議員 中国人科学者の政府研究所立ち入り禁止を要求

2026/01/15
更新: 2026/01/15

米上院議員11人は1月13日、エネルギー省のクリス・ライト長官に宛て書簡を送り、中国国籍者を米国の国立研究所から排除する措置を求めた。人工知能(AI)分野の競争において、中国国籍者に研究所へのアクセスを認めることが、米国の立場を損なう恐れがあると懸念している。

エネルギー省は、エネルギー、環境、原子力などの分野で革新的技術を推進する研究を担う17の国立研究所を管轄している。2025年11月には、ドナルド・トランプ大統領が、AI革新を加速させる国家的取り組み「ジェネシス・ミッション」を同省に命じ、「マンハッタン計画に匹敵する緊急性と野心」を持つ計画として位置づけた。

書簡によると、これらの国立研究所の施設、情報、技術にアクセスできる中国国籍者は数千人に上る。2024会計年度には約3200人の中国国籍者がアクセスを認可されており、この数字には米国の永住権保持者は含まれていない。議員らは、この点から「実際にはさらに数百人、場合によっては数千人の中国市民が研究所で働いている可能性がある」と指摘した。

議員らは、最先端研究へのアクセスを中国国籍者に与え続けることは、ジェネシス・ミッションの目的そのものを損なうと警告している。書簡では、こうした研究成果が中国共産党に渡ることへの懸念が示されている。

この書簡には、トム・コットン上院議員(共和党、アーカンソー州)マイク・リー(ユタ州)ジェームズ・リッシュ(アイダホ州)ジム・ジャスティス(ウェストバージニア州)ジョン・コーニン(テキサス州)ジョン・バラッソ(ワイオミング州)ジェームズ・ランクフォード(オクラホマ州)デーブ・マコーミック(ペンシルベニア州)ジェリー・モラン(カンザス州)トッド・ヤング(インディアナ州)テッド・バッド議員(ノースカロライナ州)が連署した。

議員らは、エネルギー省に対し、中国国籍者の国立研究所施設、情報、技術へのアクセスを禁止する政策を導入するよう勧告している。

こうしたスパイ活動への懸念の背景には、中国政府がすべての中国市民に国家の情報活動への協力を義務付ける法律を制定していることや、国外に及ぶ弾圧(トランスナショナル・リプレッション)を行ってきた実態があると、議員らは指摘する。

人権団体フリーダム・ハウスは、中国政権を最も深刻な越境的弾圧を行う政権の一つに位置づけており、中国国内に住む家族への脅迫などを通じて、海外在住の中国人に国家活動への協力を強要していると報告している。

議員らは、こうした強制の存在を理由に、科学者に対する適切な身元審査を行ったとしても「十分な安全策にはならない」との認識を示した。さらに、対象となる人数が多すぎて、エネルギー省の審査能力を上回っていることや、中国側が中国共産党との関係を隠蔽しようとしてきた点も問題視している。

議員らは書簡の中で、「ジェネシス・ミッション、そして研究所全体で行われている重要な研究を守る最善の方法は、中国国籍の科学者や研究者が研究所で働く状況を終わらせることだ」と結論づけた。

今回の要請は、2025年12月に公表された下院の報告書を受けたものでもある。この報告書は、エネルギー省がAIや量子技術など、防衛用途に転用可能な先端技術の研究に資金を提供し、中国の研究者や研究機関と共同で実施していたと指摘している。報告書によれば、2023年6月から2025年6月までに、こうした共同研究に関連する論文が4千本以上発表されていた。

同報告書は、2025年時点で約2,000人の中国国籍者が国立研究所で働いていたとも指摘した。報告書をまとめた議員らは、エネルギー省幹部への聞き取りを行った結果、その説明は「甘い(ナイーブ)」ものだったと評価している。

報告書では、複数のエネルギー省幹部が、中国国籍者の継続的な在籍を擁護し、「米国の技術力の高さを見せ、中国に戻って同僚に伝えさせることで、米国に勝つことを諦めさせる狙いがある」と事実上説明していたと記されている。

また、下院の中国共産党特別委員会は、国防総省を含む他の政府機関からの助成金を通じ、米国の資金が中国の防衛研究に流れていたことを示す報告書も公表している。

エネルギー省は、本件に関する取材要請に対し、記事掲載時点までに回答していない。

ニューヨークを拠点とするエポックタイムズ記者。