3月16日、キューバで大規模な停電が発生し、約1千万人が影響を受けた。キューバの電力会社によると、送電網が全面的に崩壊したという。トランプ大統領は16日、キューバ情勢について「現政権はすでに終局を見ていると思う」と述べた。
続けて「長年にわたりアメリカがいつキューバに行動を起こすのかという議論を耳にしてきた。私はキューバを支配するという栄誉を得ることになるだろうと確信している」と語った。
トランプ氏はこれ以前にも、アメリカがイラン情勢をめぐり目標を達成した後、キューバへと関心を向けることを示唆し、同国に対する「友好的な支配(friendly takeover)」に言及していた。
記者から「キューバを支配する」という発言の具体的な意味を問われると、トランプ氏は「何らかの形で行われる」と説明。「キューバを再び自由にするにせよ、あるいは支配するにせよ、正直に言えば私はやろうと思えば何でもできる。彼らは現在、極めて弱い国家だからだ」と語った。
アメリカは今年初め、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を拘束した上で、キューバに石油を供給する国々への制裁を強化した。その結果、ここ3か月間、キューバに到着した石油タンカーは確認していないという。
過去20年以上、キューバはベネズエラからの資金とエネルギーに大きく依存してきた。一方でキューバは数万人の医師や治安要員を派遣しており、両国の関係はしばしば「エネルギーと医療の交換」という相互依存の構図で説明してきている。
トランプ氏はまた、1959年のキューバ革命以降から同国を統治しているフィデル・カストロと弟ラウル・カストロを強く批判。「キューバは長い間非常に弱体化している。非常に暴力的な指導者が統治してきたからだ」との見解を示した。
また、「フィデル・カストロは非常に暴力的な指導者であり、その弟も極めて暴力的だった。彼らは暴力によって国を支配してきた」と非難した。
一方でトランプ氏は、アメリカがキューバ政府と対話を続けていることも明らかにした。「彼らは我々と対話している。あの国は失敗国家で、石油も何もない。しかし、土地は非常に美しい」と述べた。
さらにトランプ氏はキューバの国家としての潜在能力にも言及し、「キューバは美しい島で、気候も素晴らしい。しかも、ハリケーン帯の外側に位置しており、毎週のように災害支援を求める必要もない」と指摘。「多くの人々が自由なキューバへの変化を望んでいる」と語った。
アメリカ国内のキューバ系の市民は長年、アメリカ政府に対しキューバ政府への圧力強化を求め、政権交代を促すべきだと訴えてきた。
こうした中、キューバでは現在、4か月間で3度目となる大規模停電が発生している。キューバのエネルギー鉱業省は電力システムが「全面的に停止した」と発表し、原因を調査しているとした。同省によると、電力網が崩壊した時点で稼働していた発電機に故障は確認されていないという。
石油不足が深刻化する中、キューバ政府は太陽光発電や天然ガス、火力発電などで電力供給を維持しようとしているが、インフラの老朽化により電力網はより一層脆弱になっている。
キューバ情勢を長年研究している米アメリカン大学ラテンアメリカ政治学教授のウィリアム・レオグランデ氏は、「キューバの電力網は長年適切なメンテナンスが行われておらず、設備はすでに通常の耐用年数を大きく超えている」と指摘する。
同教授によれば、ベネズエラ産石油の供給が途絶えたことで、キューバの火力発電所は国内産の重油を使用せざるを得なくなり、その中に含まれる硫黄が設備の腐食を引き起こしているという。
危機への対応として、キューバ政府は経済改革を進めており、海外在住のキューバ人による投資や民間企業の所有を認めるなどの措置を打ち出している。また、アメリカ企業との貿易にも前向きな姿勢を示している。
しかし、アメリカ政府関係者によると、交渉の目的の一つにはミゲル・ディアスカネル大統領の退陣を求めることも含まれている。
トランプ政権はさらに、政治犯の釈放や政治・経済の自由化を進めることを条件に、対キューバ制裁の解除を検討するとしている。
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