SpaceX株がIPO後も上昇 時価総額2兆ドル突破 評価とリスクを徹底分析

2026/06/16
更新: 2026/06/16

史上最大級のIPOを実施したSpaceXの株価が通常取引初日も上昇し、時価総額は2兆ドルを突破。成長期待が高まる一方で、損失や過大評価への懸念も指摘されている。強気・弱気双方の見方から今後の企業価値を読み解く。

先週、ナスダックで史上最大規模のIPOを実施したSpaceXは、その後の初の通常取引日となる6月15日、株価が6%上昇した。  

同社の株価は先週金曜日に19%上昇し、161ドル(約2万5,800円、公開価格は1株135ドル=約2万1,600円)で取引を終えた。これにより、時価総額は2兆ドル(約320兆円)を超えた。  

最高経営責任者のイーロン・マスク氏は14日、SNSのXに投稿し、「2030年までに収益が約1兆ドル(約160兆円)に達する可能性がある」との見通しを示した。さらに、「2031年に1兆ドルを超えていなければ驚くだろう」とも述べた。  

SpaceXは、衛星インターネットサービス「スターリンク」と再利用可能なロケットを展開する宇宙企業である。今年2月には、マスク氏の人工知能スタートアップxAIとの統合を発表している。  

50億ドル赤字と巨額投資が示すリスク

一方、同社は2025年に約50億ドル(約8,000億円)の損失を計上しており、今回の大型IPOをめぐっては、企業価値の妥当性や持続性を巡る議論も出ている。  

アメリカのCNBCによると、投資調査会社CFRAは12日、同社株の分析を開始し、投資判断を「売り」とした。12か月の目標株価は115ドル(約1万8,400円)で、当時の終値からおよそ29%の下落余地があるとしている。  

CFRAは、その理由として「極めて野心的な成長戦略」「高い評価水準」「資本集約的な事業構造」を挙げている。  

また、3月までの3か月間の設備投資額は101億ドル(約1兆6,000億円)で、前年同期の41億ドル(約6,500億円)から大きく増加した。この多くが人工知能分野に投じられたとしている。  

投資判断は割れる、強気と弱気の根拠

イギリスのベイズ・ビジネススクールのポリーナ・ロシュコフスカ講師は、CNBCの番組で、「同社は多くの成長期待を掲げているが、最終的には収益として実現される必要がある」と指摘した。  

また、IPOの目論見書について「コーポレートガバナンスや実行リスクに関する情報が十分ではない」としたうえで、「これらの期待の根拠を明確にする必要がある」と述べた。  

一方で、強気の見方もある。調査会社NewStreet Researchは同社株の分析を開始し、目標株価を165ドル(約2万6,400円)とした。  

同社のジェームズ・ラッツァー氏はCNBCの番組で、「現在の評価額を正当化するには、より長期的な視点で企業価値を評価する必要がある」と述べた。  

そのうえで、「20年から25年という時間軸で見る必要があり、長期的な成長ストーリーとして捉えるべきだ」と指摘した。  

さらに、ロケット打ち上げ能力については、「SpaceXは競合他社に対して少なくとも10年先行している」との見方を示した。  

また、「スターリンクの『ダイレクト・トゥ・セル』や軌道上データセンターなどの構想の実現には、打ち上げの成功が重要であり、『スターシップ』による大型輸送能力が大きな強みになる」と述べた。  

加えて、「今後4年から5年の間も、同社が宇宙分野の打ち上げ能力の90%から95%を担い続ける可能性がある」との見通しを示した。  

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