グラス駐日米大使 中国のレアアース「政治的武器化」を批判

2026/10/24
更新: 2026/10/24

ジョージ・グラス駐日米大使は、中国共産党(中共)政府が重要鉱物を日本に対する「政治的武器」として利用していると批判した。中国のレアアース輸出制限は混乱を引き起こすもので、日本だけでなく米国企業にも被害を及ぼしていると述べた。

グラス氏は10月23日、SNSのXに投稿し、中共政府が日本の「再軍備」を口実に、報復として日本向けレアアース輸出を制限する手法を常用していると指摘した。

「この主張は数え切れないほど聞いてきた」とした上で、「日本が『再軍備』しているという詭弁は、重要鉱物の供給を政治的武器として使う行為を正当化するための、稚拙な口実にすぎない」と述べた。

この投稿は、中国外務省の毛寧報道官の発言に応じたものだ。毛寧報道官は10月20日の定例記者会見で、日本向けレアアース輸出制限について、再び型通りの公式見解を示していた。

グラス氏は10月23日の別の投稿で、中国の不当な対日輸出制限による被害は、日本だけにとどまらないと警告した。

「北京(中共政府)の根拠のない輸出制限は、日本だけに影響するものではない。日本企業と強固な協力関係を築き、その製品の品質と信頼性を重視する米国企業を含め、地域全体の商業上の利益を損なっている。どうやら北京(中共政府)にとって、『安定』と『破壊』は同じ意味らしい」と記した。

中国商務省は複数の日本の事業体を輸出管理の対象に指定し、軍事用途に使われる可能性のある物資の輸出を禁止している。中共政府は高市早苗首相の政権による軍備拡張政策も批判している。

高市早苗首相は2025年11月7日、衆議院での質疑で、「台湾有事」が日本による集団的自衛権の行使が可能となる「存立危機事態」に該当する可能性があり、自衛隊による武力介入も排除しないとの考えを示した。この発言により、日中関係は悪化を続け、底に落ち込んだ。

中国外務省や国営メディアはその後、高市首相に対する攻撃を相次いで展開した。中共は台湾を自国領土の一部と主張しているが、歴史上一度も台湾を統治したことはない。

英フィナンシャル・タイムズは10月20日、事情に詳しい関係者の話として、中共政府が輸出制限を緩和するか、日本が直ちに代替供給源を確保しなければ、日本のイットリウム在庫は数か月以内に底を突く可能性があると報じた。早ければ年末にも供給不足に直面し、自動車、航空、半導体製造業に直接影響する恐れがあるという。

レアアースの一種であるイットリウムは、ジェットエンジンの耐熱保護コーティングや半導体製造装置などに広く使われている。中国は世界の主要なイットリウム供給国だ。

また、輸出管理対象となっている他の中国製レアアース製品の対日輸出も減少が続き、日本の産業界では供給途絶への懸念が高まっている。

報道によると、日本は米政府や複数の米主要企業に支援を求め、中共政府に圧力をかけて対日レアアース輸出制限を緩和するよう、米国の協力を要請している。

香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは10月8日、関係者の話として、トランプ大統領が中共の党首の習近平との会談で、対日関係を改善し、日本に対する一部の輸出規制を解除するよう促していたと報じた。

同紙によると、トランプ氏は習近平に対し、レアアースを含む日本向け輸出品に対する中共の制限は「日本の供給業者に依存する米国の産業」を脅かすもので、2025年に韓国で合意した米中貿易休戦協定に「間接的に違反している」と指摘した。

習近平の反応は「冷淡だった」という。

習近平の国賓としての訪米終了後、デービッド・パーデュー駐中国米大使はXに投稿し、中共政府がレアアース輸出での支配的な地位を「武器化」し、世界全体に向けて利用していると批判した。

パーデュー氏は、米側は中共側に対し、これは「受け入れられない」と伝えたと述べた。

責任編集:林姸

林燕