アメリカのサウスカロライナ州とテネシー州の一部の病院は、インフルエンザおよび麻疹(はしか)の症例急増から患者とスタッフを守るため、12月30日より15歳以下の子供の面会を禁止する。民間・非営利の総合ヘルスケア企業「プリズマ・ヘルス(Prisma Health)」の当局者が発表した。
プリズマ社の感染予防部門エグゼクティブ・ディレクター、ジェイシー・フォルクマン氏は声明で、「この予防的措置を講じることで、病院が患者にとって高品質な医療を受けられる安全な場所であり続けるよう支援できる」と述べた。
なお、プリズマ・ヘルスは、死が差し迫っている場合などには、一部の例外を認める可能性があるとしている。
この非営利ヘルスケア企業は、例年インフルエンザの流行率が高まる冬季に面会指針を調整しており、病院周辺の地域社会で感染率が低下すれば、通常の面会体制に戻る予定であると説明した。
プリズマ社は19の急性期・専門病院と320の診療拠点を運営し、サウスカロライナ州とテネシー州で160万人以上の患者にサービスを提供している。
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、インフルエンザの活動は全米で上昇しており、特に子供や若年成人の間で顕著であるという。
ニューヨーク州の保健当局は、12月20日までの1週間で過去最多となる7万1,123件のインフルエンザ陽性例を報告した。CDCによると、ルイジアナ州とコロラド州でもインフルエンザの感染率が非常に高くなっている。
また、CDCは12月13日までの直近1週間において、インフルエンザの活動、特にA型インフルエンザの急増が続いていると報告した。
CDCの推計によれば、今シーズンはこれまでに少なくとも460万人が発症し、4万9,000人が入院、1,900人が死亡した。
また、今シーズンはすでに3人の子供がインフルエンザで死亡している。
CDCは、まだ接種を受けていない6か月以上のすべての人に対し、年1回のインフルエンザワクチン接種を推奨している。今シーズンはこれまでに、約1億3,000万回分のワクチンが配布された。
一方、サウスカロライナ州公衆衛生局は、州北部で発生している麻疹のアウトブレイク(集団感染)への対応も進めている。
12月23日の時点で、スパルタンバーグ郡を中心に159件の麻疹症例が報告されている。保健当局は10月にアウトブレイクを確認した。
症例の一部は旅行関連や濃厚接触によるものだが、感染源が特定されていない症例もあり、これは地域社会で麻疹が流行しており、さらに拡大する可能性があることを示している。
州公衆衛生局は、「ここサウスカロライナ州の未接種の世帯において、麻疹が急速に広がるのを目の当たりにしている。また、他州での事例に基づき、未接種のコミュニティでも急速に広がる可能性があることも分かっている」と述べた。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。