中国共産党(中共)の最高指導者、習近平には、これまで包子(中華まん)200斤、小学生、一尊(最も尊い存在)、崇禎帝など数十におよぶあだ名で揶揄されてきた。しかし最近、長年の親交があったはずの中共中央軍事委員会副主席、張又俠を粛清したことで、海外メディアから新たに破壊者(Destroyer)と呼ばれるようになった。
2月2日、アメリカ誌「フォーリン・アフェアーズ」は「破壊者・習近平」と題した記事を掲載した。執筆者は、ブルッキングス研究所中国センターの研究員で元CIA中国分析官のジョナサン・ツィン氏と、元CIA高級情報官のジョン・カルバー氏である。
同記事は、習近平と張又俠の父が中共軍内で親密な戦友関係にあり、習と張自身も数十年にわたる付き合いがあったことに言及した。「張又俠の体面を汚す形で解任したことは、軍を統率する際の習近平の冷酷さを物語っている。指導者が敵に対して容赦ないことと、友人に対しても同様に無情であることは、また別の話だ」と指摘した。
また、現在の中共中央軍事委員会には、主席の習近平と副主席の張昇民の2人しか残っておらず、軍事委は事実上破壊された状態にあるとし、習近平を「破壊者」と定義した。
記事はさらに、張又俠を公然と周縁化する姿勢を示したことで、習近平の政治スタイルにおける決定的な特徴が浮き彫りになったと分析している。それは、誰一人として安泰ではなく、深い私的関係にある者でさえ例外ではないという点だ。
この新たなあだ名について、ある評論家は、以前からのあだ名「加速師」と合わせれば、「中共を破滅させる加速師」になると指摘する。
ここ2年、中共高層部の権力闘争はかつてないほど激化している。昨年10月の四中全会を前に、習近平は自ら抜擢した9人の上将を突如、軍籍と党籍を剥奪した。
中共の政界内部に詳しい在豪法学者の袁紅冰氏は当時、「看中国」に対し、北京の政界では習近平に対し「上将斬(じょうしょうざん)」という新たな呼び名がついたと明かした。中共の上将を次々と粛清する「処刑人」という意味である。
さらに袁紅冰氏は、習近平が現在最も恐れているのは、身近な側近や近臣たちが全員「両面人(面従腹背の者)」であることだと指摘した。彼らは表向きには必要以上にへりくだった態度を取りながら、裏では習近平を嘲笑し、軽蔑しているという。
昨年の四中全会後、張又俠は党機関紙に自ら寄稿し、「両面人になること、偽りの忠誠を演じること」を断固として防がなければならないと訴えていた。しかしそのわずか2か月後、本人が失脚。失脚の公式発表の早さと文言の厳しさは前例のないものだった。
では、こうした事態の背後にある根本的な原因は何か。政治学者の呉国光氏は「最高権力を握る独裁者はしばしば、負のスパイラルに陥る。物事が少しでも思い通りにいかないと、それは自分の権力がまだ足りないからだと考え、さらなる権力を欲するようになるのだ」と考えている。
その結果、第20回党大会時点で6名いた中央軍事委員会のメンバーは、現在わずか2名にまで減少している。
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