社会報復とされる凶悪事件が、北京で発生した。
3月29日、北京市房山区の市場で、ショベルカーが人混みに突入した。昼どきでにぎわう時間帯に、屋台や通行人に向かって衝突を繰り返し、現場は一気に混乱に陥った。
映像には、屋台が押し潰され、商品が路上に散乱し、人が次々と倒れていく様子が映っている。複数の人がその場で動かなくなる場面も確認されている。
現場で事故ではなく、強い悪意を感じた市民たちは、車に物を投げつけ、中には車体によじ登って運転手を止めようとする人もいたが、ショベルカーは突進を続けた。
また、乗用車に衝突した後、そのまま押し続けて路肩へ追いやる様子も確認されている。
タイヤが破損して車両が停止し、運転していた男は民衆によって車外に引きずり出され、地面に押さえつけられて制圧された。その後、周囲から激しく殴られる様子も映っている。

死傷者の数については、十数人が死亡したとの情報が広がっているが、中国当局は公式発表を行っていない。さらに、男の車両から大量の陳情書類が見つかったとの話もあり、行政への訴えが受け入れられなかった末の行動ではないかとの見方が広がっている。
中国では、各地から人々が北京に集まり、不正や被害を当局に訴える仕組みがある。しかし現実は、どこに訴えても相手にされない。
その現実を象徴するように、華人圏で繰り返し語られている痛烈な指摘がある。「中国で最も行列ができる場所は三つある」というものだ。陳情の窓口の前、病院の前、そしてアメリカ大使館の前(アメリカへのビザ申請の列)だ。
当局による情報統制の中、何が起きたのか、その全体像はいまも見えていない。声が届かない社会で、市民の不満はいまにも爆発しそうな火山のように膨れ上がり、異様で重苦しい空気が社会を覆っている。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。