またしても路上での刃物事件が起きた。
南部の海南省臨高県で4月6日、街中で人が切りつけられたとする情報がネット上に出回ったが、投稿はすぐに削除され、詳しい状況は今も分かっていない。無差別に人を襲った可能性も指摘されているが、現地の様子は外からほとんど見えなくなっている。
海外のSNSに出た映像では、路上で血を流して倒れた人物と、警察に取り押さえられる男の姿が確認できる。現場には刃物も落ちていた。
こうした突然の襲撃は、最近の中国で各地に広がっている。
何が起きたのか分からないまま情報が封鎖され、事件そのものが何もなかったかのように消えていく。この異常な状況こそが、今の中国社会の不気味さを物語っている。
遼寧省瀋陽市では4月4日、繁華街で男が通行人を次々と襲い、複数の死傷者が出た。3月31日には湖北省武漢市で路上襲撃、さらに3月29日には北京市で重機が人混みに突っ込む事件も起きている。短期間で重大な「社会への報復」とみられる事件が相次いでいる。
アメリカ在住の中国問題の評論家、邢天行氏は、「こうした事件は個人の問題ではなく、社会全体にたまった不満の表れだ」と指摘する。生活苦や不公平への怒りが行き場を失い、一般市民へ向かっているという。
当局は一貫して「安定維持」を掲げるが、問題の根本に手が付けられない限り、この連鎖が止まる兆しは見えていない。
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