今年も中国に「あの季節」がやってきた。
セミが鳴き、気温が上がり、街頭の大型スクリーンでは巨大な扇風機やエアコンが回り始める。ただし、画面の外に風は一切届かない。近年おなじみとなった、中国恒例の夏の風物詩である。
河南省鄭州市の観光施設では、屋外の待機場所にある大型スクリーンで、エアコンが冷風を吹き出す映像を繰り返し流していた。画面のエアコンは全力運転だが、涼しいのは画面の中だけ。来場者は本物の暑さに耐えながら、それを眺めていた。
施設側によると、現場には本物の扇風機も設置されている。エアコンの映像は、暑さでいら立つ来場者の気分を和らげるためだという。
体を冷やせないなら、せめて心を冷やそうということだろうか。「心頭滅却すれば火もまた涼し」ならぬ、「心頭滅却すれば、画面の冷房もまた涼し」である。
しかしネットでは、「暑さは何も変わらないのに、見ていると余計に腹が立つ」と不評の声も目立った。施設側の「少しでも気分を和らげてほしい」という温かい心遣いも、冷風と同じく画面の外までは届かなかったようである。
さて、あなたなら、この「サイバー冷房」に涼しさを感じるだろうか。それとも、かえっていら立ちが募り、さらに暑くなるだろうか。
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