THE EPOCH TIMES

カタツムリコスメ大人気、中国人観光客ブームに沸くタイ

2018年06月05日 12時47分

[バンコク 18日 ロイター] - 「カタツムリの分泌液ろ過物の保湿成分」──。バンコクの大型スーパーで売られている顔用クリームの白とピンクの箱には、このようなラベルが誇らしげに貼られている。カタツムリ由来の化粧品だというのだ。

「スネイルホワイト」というブランド名と、インターネットの一部での高評価だけで、最近では中国人観光客が列をなしてこの商品を買い求めるようになっている。

中国人大学生のアリス・チェンさん(21)は、ネット上でこの顔用クリームの評価を見て、自分の国では手に入らないため、試してみようと思ったという。

やはり大型スーパーのビッグC<BJC.BK> ラチャダムリ店で買い物していた中国人観光客のイボンヌさん(22)は、1箱40ドル(4360円)程度のこのクリームを数個買ったと話した。「ブロガーが、安くて良いと書いていたから」という。

一方、このスーパーに程近い高級デパートのサイアム・パラゴンのデザートカフェでは、中国人観光客のグループが、一風変わったドリアンで作られたデザートを手に写真を撮っていた。ドリアンは、主に東南アジアで採れる、硫黄のような臭いがすることで知られる黄色いフルーツだ。

タイを訪れる中国人観光客は、今年1100万人程度と予想され、100万人程度だった2010年から急増。中国は、他国を大きく引き離してタイの観光にもっとも貢献するようになっている。そして1人当たりの消費額も、以前と比べて増加していることがタイ政府の統計から分かる。

恩恵を受けるのは、ホテルやツアー会社、航空会社にとどまらない。消費の少なからぬ部分が、中国人客に照準を合わせる小売店やレストラン、食品や化粧品メーカーに流れている。

投資家も注目しており、こうした企業の多くの株価が上昇し、株価収益率(PER)も高い水準になっている。一部ではあまりに高くなり、旅行客の好みは移り変わりが激しいこともあって、証券会社のアナリストはバリュエーションを警戒しているという。

スネイルホワイトを製造するスキンケア企業ドゥーデイドリーム<DDD.BK>も、その1つだ。

同社が、カタツムリから韓国式の方法で抽出する粘液を使っているとうたう顔用クリームの箱は、タイの空港やショッピングモールに高く積み上げられている。美白を好む中国人観光客には「マスト」なアイテムになっているからだ。

スネイルホワイト製品の売り上げは、香港やシンガポールの美容ブロガーが激賞した2014年から急増していると、ドゥーデイドリームのPiyawat Ratchapolsitte最高財務責任者(CFO)は言う。

2017年には、タイ国内市場でも売り上げが拡大し、中国人消費者に対するオンライン直接販売が伸びたこともあって、同社の収益は35%増の17億バーツ(約58億円)にも膨らんだ。同社は、シャワージェルやローションなど、他のカタツムリ粘液由来の製品も扱っている。

突然なんらかの理由で中国人観光客が急減することもあるため、観光客相手の売り上げにはリスクがあると、Piyawat氏は言う。2015年と2016年には、ツアー会社が中国人向けに「ゼロドル・ツアー」と呼ばれる格安ツアーを提供することをタイ政府が難しくしたこともあり、実際に一時期中国人観光客が急減した。

中国への輸出は、昨年同社の売り上げの3割を稼いだとPiyawat氏は言う。これは、中国人観光客がタイで買う割合の10─15%を大きく上回る。

カタツムリの粘液というニッチ分野の競争も激しくなりつつある。ロイター記者は、タイにあるカタツムリ農場も取材。農場では、粘液を製造会社に販売し、こうした会社が世界の化粧品会社向けに元の状態のままの、または粉にした粘液を販売しているという。

<フォーブス誌の富豪リスト>

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