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外国為替市場で個人の外為証拠金取引が一大勢力に

 外国為替市場で個人の外国為替証拠金取引が一大勢力になりつつある。スポット取引では、構造的な円安要因の一つにも挙げられるほどだ。業界としては取引業者間の競争が激化しており、コストを削る体力勝負の様相となっている。

 取引業者の急成長ぶりが目立つ一方で、顧客獲得のための勧誘方法などで課題も指摘されており、コンプライアンス(法令順守)の徹底が業界の育成に欠かせない。

 三省堂書店・神田本店では、外為証拠金取引に関する新刊書籍がここ数カ月間の売れ筋だ。投資関連では株式投資に関する書籍が最も売れているが、外為証拠金取引関連は「ビジネスものを扱うフロアでは毎週、必ずベスト5に入る状況が続いている」(同書店)という。30才代から50才代にかけての年齢層を中心に個人レベルでの為替取引がすそ野を広げている。

 ニュージーランド中銀が為替介入を実施した12日、NZドル/円の証拠金取引の建玉数量は5億3713万NZドルと、前週末9日の3億2444万NZドルから急増。ここでも個人投資家の参加が目立った。UBS銀FXアドバイザーの牟田誠一朗氏は、個人による外為証拠金取引の増加は「市場を滑らかにする」として、取引増の役割を評価する。その半面「一度崩れると、投げが投げを呼ぶ展開になりかねない」とリスクの拡大を懸念する。実際、円売り/外貨買いが基本的な取引スタンスのため、現在の相場の地合いが反転した場合「急激な円高で損失をする投資家は多いのではないか」(取引業者)との声もある。

 社団法人金融先物取引業協会(会員会社199社、3月末現在)によると、2006年度全体の出来高(取り扱い金額)は324兆0796億円。大手の外為ドットコム(東京都)は、総売上高にあたる営業収益を2002年度3.2億円から2005年度は77.7億円に増やす急成長ぶりを示している。2005年7月1日施行の改正金融先物取引法が外為証拠金取引に適用されたことから悪質業者が排除され「生き残った業者がパイを分け合って急成長しているように見える」(取引業者)との見方もある。

 東京金融先物取引所の南出幸秀調査役は、業者間競争について「手数料引き下げなど付加的なサービスに関しては出尽くした状況」とし、現在は体力勝負になりつつあると指摘している。今後の業者間の生き残り競争ではコンプライアンスや業績などが顧客の関心を引きそうだ。

 関係者によると、証券取引等監視委員会は2006年7月から2007年6月まで、取引業者10社以上を検査。この結果、「不招請勧誘」(不正な勧誘)について問題視しており、来月発表予定の検査の方針にもこの点が盛り込まれる可能性がある。

 外為証拠金取引専業のセントラル短資オンライントレードは、日本格付研究所(JCR)の長期優先債務格付け「BBB+」を取得した。同取引専業として格付けを取得するのは、同社が初めて。「BBB+」は20ランク中8番目で、銀行系では東京都民銀行、ノンバンク系ではアイフル、証券系では松井証券などと同レベル。格付け「A」と「B」には、債務履行面の確実性に違いがある。それでもセントラル短資オンライントレードの渡辺裕常務は「激化する業者間の競争で差別化できた」とメリットを強調する。

 JCRでは「立て替え金の発生が資産内容を劣化させていないか、顧客獲得に無理がないかなどのポイントを格付けの基準にしている」と話している。

 金融先物取引業協会は、店頭金融先物取引の2006年10―12月期の出来高について、当初発表していた112兆5263億円を77兆1895億円に下方修正した。また、同4―6月期を82兆6424億円から68兆3845億円に、同7―9月期を95兆8350億円から69兆3374億円にそれぞれ修正した。

 信用を高めようとしてきた業界そのものの成長過程を考えれば、意図的に取引規模を大きく見せ、一般消費者を引きつけようとしたのではないか、とも受け取られかねない。同協会では、修正の理由について「会員会社からの報告ミス」と説明している。

[東京 15日 ロイター]

 (07/06/16 13:30)  





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