THE EPOCH TIMES

漢字の神秘(8):一

2008年09月07日 12時30分
 【大紀元日本9月7日】何万字と言われる中国語の漢字の中でも、最もシンプルなのが「一」。日本語と同じく、「ひとつ」の意味で、最初に子供が習う漢字だ。しかし、この漢字に含まれる意味は、単なる「いち」だけでなく、更に奥深いものを含んでいる。

 「一」は、中国哲学が認識する「宇宙の始まり」を表している。神話によれば、宇宙が創造される前、説明のつかないような、無定形のかたまりが存在し、そのかたまりが爆発して数々の物質が形成されたと伝えられている。

 道教の創世説も、似たような認識をもっている。宇宙の始めの状態は、ひとつの虚無の境界で、そこから全ての世界、次元、生命が派生していったと考えられている。女性(陰)や男性(陽)が生まれる前は、完全なる「いち」であり、それはあまねく存在する「力」で、永遠である。それをすなわち「道」と呼んだ。

 老子の教えによれば、人間はこの生命の源である「道」から離れることができないという。そして、「道」の性質に従って生きなければ、いずれその存在は破滅することになる。「道」の本質は、真(まこと)、柔和、無為、調和、無私、素朴、謙虚であり、この性質と合致すれば、すなわちその生命は永遠となり、「道」から全てが与えられるのだ。
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