印刷版   

台湾で「第2回世界仏教フォーラム」に出席した中共国家宗教局の葉小文局長。撮影・金友豪

「世界仏教フォーラム」台湾で閉幕、問われる中共の「宗教統一戦線」真意

 【大紀元日本4月4日】 中国共産党(中共)当局が主導する「第2回世界仏教フォーラム」が4月1日、台北市で閉幕した。中国大陸の無錫市で開幕した後、3月30日に台北市に会場移した同フォーラムは、閉幕式で世界500近くの仏教団体と数万人規模の台湾仏教徒が参加する盛況を見せた。しかし、台北ではダライ・ラマ14世の参加が拒否されたが、中共国家宗教局局長、江蘇省政治協商主席など多くの中共高層幹部は出席した。「チベット弾圧」50周年の節目に当たる本年、同フォーラムを中共が政治的に利用したとみられることから、チベット亡命政府・台湾駐在代表ダワ・ツェリン氏は、中共が宗教の形式を利用して台湾仏教界に浸透しようとしていることに注意するようと呼び掛けた。

 中共当局統一戦線機関である主催側

 今回のフォーラムは、中国大陸の「中国仏教協会」「中華宗教文化交流協会」が台湾の仏教界と共催した。ダワ・ツェリン代表の指摘によると、「中華宗教文化交流協会会長」として大陸の仏教団体を引き連れてフォーラムに参加した中共国家宗教局の葉小文局長は、チベット仏教を直接弾圧した責任者であり、ラマの転生者の認定権利を共産党にするという「チベット仏教の輪廻転生制度の認定法」の製作者である。中国大陸で仏教を直接廃滅した中共の高官は、世界仏教フォーラムの主催者に変身して台湾に来ており、台湾社会は、中共のチベット仏教弾圧を戒めるべきであるとツェリン代表が警告した。

 葉局長は多くのチベット寺院を閉鎖し、武装警察を寺院に駐在させ、チベット僧侶に共産党の愛国教育を受けさせ、チベット仏教の経典を焼却するなど、チベット仏教弾圧を推進した。さらに、気功団体法輪功(ファールンコン)への弾圧も協力したことから、2006年、米国で法輪功団体から告訴された。

 民間組織として設立された「中国仏教協会」「中華宗教文化交流協会」は、実際には中共の統一戦線機関。「中国仏教協会」の初代秘書長として、1953年に「中国仏教協会」を設立した中国仏教界の長老・趙朴初氏は、中国共産党の党内幹部。中国共産党元統一戦線工作部の張執一副部長は、自著「敵の心臓で」の中で趙朴初氏を通し、宗教を利用し、共産党イデオロギーの洗脳を行ったことを詳しく記している。

 政治色強い仏教フォーラム

 今回の仏教フォーラムが掲げたテーマ「世界の和解調和、人々の縁の和合」、実際には胡錦涛主席の「調和のある社会」の宗教版に聞こえる。中国共産党が指名したパンチェン・ラマは3月28日の開会式で、「本フォーラムは、中国社会の調和と安定、宗教信仰の自由を十分に証明し、中国は世界平和を促進させる国家であると表明している」の発言から、チベット弾圧50周年と法輪功迫害10周年において、中共当局が当フォーラムを通して宗教弾圧と信仰の自由を禁止する現実を隠す狙いが読み取られる。

 パンチェン・ラマは最近、頻繁にマスコミの前に現れる、「心より中国共産党に感謝している、共産党は明るい目をくださり、是非を見分けることができた…共産党人が持つ高尚な品格は、仏教信者としての素質である」と共産党賛美の言論を送っている。

 今回フォーラムには多くの中共高層幹部が参加した。中共国家宗教局の葉小文局長のほか、江蘇省政治協商の張連珍主席、香港民政局長・曾徳成氏、中国共産党国務院台湾事務弁公室スポークスマン・範麗青氏も出席、今回の仏教イベントから政治性を強く感じる。

 中共国家宗教局局長の葉氏は、1985年、中共共産青年団貴州省主席に就任、1990年、共産青年団中央統一戦線部の副部長、全国共産青年団連合会副秘書長など務めた。1991年中央統戦部民族宗教局長に昇任、1995年国務院宗教事務局局長として任命された。

 香港・マカオ代表団名誉団長として台湾を訪れた香港民政事務局長・曾徳成氏の参加も、かつて来台の最高級の香港政府高層として注目された。香港在住の時事評論家・林保華氏によると、曾氏はかつて香港に隠れた中国共産党党員であり、共産党の「宣伝」工作と「統一戦線」が得意だ。

 宗教は中共の統一工作の道具

 北京五輪期間中に、外国人記者の質問「宗教を信じる人は中国共産党に入ることできるか」について、共産党員であるの葉小文・宗教局長は、「共産党人は宗教を信じない、宗教を信じる人は共産党に入れない」と答えた。無神論の共産党当局にとっては、宗教は統一工作の道具に過ぎない。

 宗教発展の名目で、宗教を破滅する。中共当局の宗教工作のこの真意、中共全国政治協商委員会委員でもある葉小文氏が2004年、政治協商会議の中宗教問題についての発言から伺える。「前ソ連の失敗から、我々がイデオロギー上の戦いを高度重視すべき」、「現在西方列強のみではなく、周辺のより弱い国々も、宗教を利用して我々を浸透しようとしている。これらの浸透を防ぎ止めるべき。社会変革の中、群衆の精神生活領域の新たな問題を解決すべき、社会主義文化の旗を高揚、社会主義文化を発展して人民の精神世界を豊かにさせる。このようにできたら、他人に浸透されるのではなく、我々が他人を浸透することができる。」

 中共国家宗教事務局は、中共統一戦線部により編成された。宗教局の中「全国宗教統一戦線会議」が常に開かれた。現在中国の大きい寺院の住職はすべて宗教局により指定され、住職は中国共産党委員会の管理に従って、無断な発言や行動を許されない。国家宗教事務局に直属する機関「宗教トレーニングセンター」は設立されており、各級の党の宗教管理幹部を育つほか、宗教団体の高層幹部に対するトレーニングも行っている。

(記者・肖 シンリ 楊J)


 (09/04/03 23:38)  





■関連文章
  • 【特別インタビュー】李世雄氏:米国でスパイ活動を展開する中共愛国協会(06/05/30)