中国:鳥インフルエンザ研究で 法的な責任

2005/07/14
更新: 2005/07/14

【大紀元日本7月14日】中国農業部が病原微生物研究に関する緊急通知を6月に発表したことで、鳥インフルエンザ研究が法的な責任が問われることになった。香港大学の管秩氏は先週、科学誌「サイエンティスト」の取材で、中国農業部の鳥インフルエンザ研究に対する新しい規定について、「それらの規定は疫病爆発と拡散の防止のためではなく、中国当局の実験結果や情報をコントロールする口実である」と批判した。ラジオ自由アジア12日の報道が伝えた。

農業部の当通知によると、いかなる機関・個人であろうと、省級以上の専門行政部門からの許可がなければ、疫病地域における病原標本の採集と運輸は禁止される。また、採集した病原材料や微生物を海外へ持ち出すのは一切禁止。それに対し、管氏は、中国当局はそれらの規定を口実にして実験室を封鎖し、彼の研究を中止させる企てであると見て激怒した。 中国当局は病原研究を独占するため、実験室から研究に関わる情報を発表してほしくないのだと管氏はコメントした。

2000年から鳥インフルエンザ病原を研究し始めた管氏は、SARS及びH5N1鳥インフルエンザ研究で国際的権威となった。管氏は最近、英科学誌「ネーチャー」で、中国汕頭大学との共同研究を発表、青海の鳥インフルエンザ疫病は、世界に危険をもたらす可能性を警告した。その発表によって、中国農業部が公表した規定の第4条の「農業部以外、いかなる機関であれ、生物疾病に関する情報を発表してはいけない」により、管氏は法的な責任に問われる可能性がある。

また、香港経済日報12日付報道によると、管氏は、「ネーチャー」で研究論文が発表された後、農業部はすぐに管氏に通知書を出し、青海の鳥インフルエンザは南中国から転入した可能性はないとし、死亡した鳥の数も研究報告より少ないとした。管氏は国家機密を漏洩したと中国側から糾弾された。

同報道によると、香港の立法議員・郭家麟氏は、中国大陸が実施したこの新しい条例は、学術の自由と独立に干渉しているという。この事件を立法会で取りあげるとした。

この事件に対して、香港の専門家たちは感染情報の迅速な開示が阻害されると強い懸念を示した。