大紀元時報

憲法9条には先見性がなかった 日本には正規軍が必要=米専門家

2019年07月03日 18時22分
米専門家はこのほど、日本軍の必要性を説く論文を大紀元に寄稿した。写真は2015年、茨城県で洪水に見舞われた地域に災害派遣された陸上自衛隊員(GettyImages)
米専門家はこのほど、日本軍の必要性を説く論文を大紀元に寄稿した。写真は2015年、茨城県で洪水に見舞われた地域に災害派遣された陸上自衛隊員(GettyImages)

共産主義に詳しい米専門家はこのほど、日本が主権を失った統治下で、国会が採択した日本国憲法9条について「先見性がなかった」との分析を示した。彼は、安全保障上かつてない危機的な情況にある日本が、米国と協力して地域の平和と安定を確保するため、また自国民を保護するためには正規軍が必要だと主張した。

次世代保守メディア、ミレニアル・レビューの客員編集員および共産主義の不正を指摘する保守派動画チャンネルPragerU(プラガー・ユニバーシティ)の元プレゼンター、イアン・ヘンダーソン(Ian Henderson)氏は、「米国は日本の軍事化を励まさなければならない」と題する文書を英文大紀元に寄稿した。下記はその抄訳。


「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」

憲法9条は1947年、実質上の主権を失い連合国司令部の制約下にあった日本で、連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサー元帥と対日アドバイザーにより書かれた。この憲法が採択された当時、米国は、復興後の日本の再度の拡張を恐れており、これを抑止する措置をとった。

まもなくして朝鮮戦争が始まり、冷戦の緊張が増した。米国は終戦後の日本に対する態度を撤回して、日本人が共産主義勢力の封じ込めに参加するよう促してきた。

日本政府は1954年に自衛隊を設置した。しかし、これは日本が攻撃を受けた場合のみ行動するというルールがあり、能力を限定している。

65年経った現在、自衛隊の軍事能力は変化しつつある。2015年9月、国会は自衛隊を国際紛争に参加することを認める法律・安全保障法制を可決し、2016年3月に施行された。安保法制は集団的自衛権と同盟国間の相互防衛を可能にしている。

これにより、自由民主党の安倍晋三政権は、日本が憲法9条に違反することなく、外国からの脅威を受ける場合、自国と同盟国の防衛のために行動を起こすことができるようになった。

日本はこの法律が絶対に必要な状況下にある。中国共産党政権による好戦的な軍事的拡大および領土拡張、予測困難な北朝鮮の攻撃、国際テロの脅威はますます高まっている。今秋、通算在職期間が歴代トップとなる安倍首相は、2020年までに第9条の改正を目指している。

長らく日本社会は米国の安全保障の傘下に置かれ、73年の平和を享受してきた。このため、自国防衛能力を刷新する必要性をまだ認識できていないかもしれない。平和主義の深化により、日本の一部世論は、日本が海外における戦争に巻き込まれることに反対している。

しかし、この平和は、日米安全保障条約の下で保障されている。米軍には日本をあらゆる状況下で保護する義務があるが、日本は同じことをする義務はない。

1947年当時、マッカーサー元帥と日本政策担当者たちは、日本が現在見るようなアジアの安定を確保する上で重要なパートナーになることを予見していなかった。このため、9条は近視眼的だったと言える。

中国の脅威

日本とアジアの最大の脅威は、ますます攻撃的で軍国主義を隠さない共産党政権の中国だ。アジア太平洋地域全体を危険にさらしている。

過去30年、中国の経済は第三世界の共産主義国から高度に発達した「半市場経済」へと移行してきた。(ただし、国は全体主義・共産主義で支配されている)中国は、この経済的な利益でプライドとナショナリズムを養った。政府と国民は自ら「次の世界大国」と自負する。また、かつて中華帝国に属していた土地を奪還し、2世紀におよぶ外国勢力の征服から強力な国家としての地位を取り戻す機会を狙っている。

この新たな拡張主義は、アジア太平洋地域に存在する力の均衡を崩す恐れがある。中国が「奪還」を目論む土地は、日本南西の尖閣諸島、台湾、インドのヒマラヤ山脈東部アルナーチャル・プラデーシュ州の約半分、そして南シナ海全体などがある。

このうち、南シナ海における占有権の主張は、世界の平和安定への最大の脅威となっている。南シナ海は石油埋蔵量が豊富であり、世界貿易の40%が通過するシーレーンである。中国はこの地域の支配権を狙っている。

中国共産党政権の自国民に対する、非人道的な統治方法を知っているならば、東アジアと東南アジアの海路でも、同じ方法の権威主義的な支配を図ると容易に想像できる。

中国は毎年、軍事予算と軍事力を劇的に増加させているが、同時に新たに開発された軍事力を駆使して近隣諸国の国境と領海の境界線を押し広げている。

スカボロー礁、パラセル諸島、スプラトリー諸島の占領は、フィリピンやベトナムとの軍事衝突を招いている。2016年、 国際仲裁裁判所は「中国に歴史的権利なし」 との判決を下したが、中国はこれを無視して、軍用級の設備と滑走路を備えた人工島を占領し、拡張建設工事を続けている。

日本軍が必要

中国の拡張主義に対抗して、米国は、国際的な公海を保護するために航行の自由作戦を始めた。日本と他の同盟国や友好国が米国と共同でパトロールすれば、米国単独のみならず地域同盟軍が自由貿易を保護するために対抗していると、抑止力のメッセージを中国側に送ることができる。

逆にそうしなければ、多くの国々は中国がアジア太平洋地域の貿易ルートをゆっくりと飲み込んで、直接支配することにただ怯えるだけになるだろう。国際的な輸出入が中国の新たに設置した管理地域を通過することで、高関税が課せられ、近隣諸国の経済は中国依存が深まり弱体化させられる。さらに、世界貿易も悪影響を受けることは明らかだ。

日本が本格的な軍隊を持っていないことによる、もう1つの大きな欠点は、海外に駐留する国民および大使館職員を保護するための特殊部隊を迅速に海外に派遣できないことだ。

2015年、ジャーナリストの後藤健二氏とフリーのビジネスマン湯川春菜氏の2人は、過激なテロリスト集団ISISに拘束され、殺害された。日本には海外で拘束された国民を救う、米海軍SEALsやグリーンベレーのような特殊部隊がない。

もし、海賊が日本の貨物船を襲ったとしたら、日本人は恐らくアメリカに救助を求めるだろう。

米国は、日本を保護する義務を負っているが、常にすべての海外の日本国民を保護する責任を負うべきではない。日本政府と軍が責任を負うべきだ。

国際的なテロの脅威が高まる時代に、日本政府は海外、特にイラク、シリア、アフガニスタンのような情勢不安定な国々で、国民と大使館職員を保護するために、これまで以上に用心深くなければならない。

軍を正規化する

これらの理由から、日本は絶対にその軍隊の正規化を続けなければならない。中国がアジアを飲み込まないようにするためには、日本と米国が協力することが不可欠だ。さらに、日本はかつてない状況から在外邦人を守ることができなければならない。

安倍首相のように、日本国内の多くの人々は、平和主義的な外交政策は実行することが可能ではないと認識し始めているのではないか。

第二次世界大戦中のマッカーサー元帥には敬意を示すが、日本国憲法第9条は先見性を欠いている。米国が、やがて地域の平和と安定を確保するために、正規軍を持つ日本が重要であることを予見できていない。

多くの人がばかげた主張をしているような、日本が帝国主義に戻ることはないだろう。今度は、拡張主義を取る中国共産党政府を抑制するために、日本が同盟国の一部として行動を共にすることができるはずだ。

多くの日本人はこの記事の見解に反対するかもしれない。しかし、何度も国際関係の醜い現実を付きつけられれば、「強さによる平和」が最善の解決策であることを、理解してもらえると思う。

(寄稿 イアン・ヘンダーソン/翻訳編集・佐渡道世)

※当該記事の見方は作者の意見であり、必ずしも大紀元の見方を反映するものではありません。

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