民間人殺害のブチャ、ロ軍の「残忍な顔」明示 欧州委員長が訪問

2022/04/09
更新: 2022/04/09

[キーウ 8日 ロイター] – 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長は8日、民間人とみられる遺体が多数発見されたウクライナ首都キーウ(キエフ)近郊ブチャを訪問し、ロシア軍の「残酷な顔、無謀で冷淡な行動」が明示されたと述べ、ウクライナへの支援を確約した。

フォンデアライエン委員長は「全世界がブチャの人々と共に悼んでいる。ブチャの人々は欧州の国境や人間性、民主主義を擁護している。われわれもこの重要な戦いで共に立ち上がる」と述べた。

さらに、ウクライナのゼレンスキー大統領が求めるEU加盟について、EUはウクライナが「必要な措置」を取ることを全力で後押しすると指摘。EUがウクライナの加盟を判断する上で必要な質問書をゼレンスキー大統領に手渡し、ゼレンスキー大統領は1週間以内に回答すると述べたという。

また、フォンデアライエン委員長はウクライナ侵攻を受けたロシアへの制裁を強調し、「ロシアは経済面、財政面、技術面で衰退する一方、ウクライナは欧州の未来に向かって進んでいる」と語った。

ブチャでは、法医学調査団が集団墓地から遺体を掘り起こし、検死作業を進めている。これまでに掘り起こされた20人の遺体のうち、18人の遺体に銃撃榴散弾による傷が確認された。また、女性2人の遺体が確認され、うち1人はブチャ中心部のスーパーマーケットで働いていたという。

ブチャ市当局によると、民間人360人以上が殺害され、約260─280人が他の住民によって集団墓地に埋葬された。ロイターは死者数などを独自に確認してない。

Reuters
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