プリンストン大学、MITの科学者2人がEPAによる気候規制は「デマ」に基づいていると発言(2)

2023/08/25
更新: 2023/09/01

プリンストン大学で物理学を教えているウィリアム・ハッパー名誉教授は、さらに数十年にわたる物理学の研究では大気放射線と大気乱流に焦点を当てている。彼の発明は天文学者や国防に利用されてきた。

ハッパー氏は、「大気中の放射線は私の専門だ。それについては、おそらくどの気候科学者よりも詳しいと思う」と語った。

彼の専門は、気候に関わる物理学と同じようなもので、どれもあまり憂慮すべきものではないということだ。

地球温暖化のナラティブでは、人間が化石燃料を燃やすと、より高濃度のCO2が地球の大気中に放出され、それが太陽光を吸収して「温室効果」を生み出し、太陽の放射を閉じ込めて地球を温暖化させると主張する。

しかし、地球温暖化モデルでは、CO2排出の「飽和」という側面を考慮に入れていない。この現象は、つまり高濃度になると大気中のCO2の影響が減少することだとハッパー氏は述べた。

「CO2をすべて除去した場合と比べて、現在のCO2濃度(約400ppm)では宇宙への放射が約30パーセント減少する」とハッパー氏は語る。「これは地球をかなり温暖化させるのに十分であり、そのことを神に感謝したい。水蒸気や雲の影響とともに、地球を居住可能な状態にするのに役立っている」

「しかし、CO2の量を400から800ppmに倍増したとしても、宇宙への放射は1パーセント程度しか減少しない。CO2がさらに増加しても、宇宙への放射に変化をもたらすようなことは起きないのであり、それを理解している人はほとんどいない。それが『飽和』と呼ばれるもので、それは1世紀前からよく知られていることだ」

なぜ地球温暖化が誇張されているのかについての科学的議論に加えて、ハッパー氏とリンゼン氏は、地球温暖化モデルと実測値との間に大きな隔たりがあることを示すデータを引用している。両氏によると、場合によっては、気候変動のナラティブに合わせてデータが不誠実に操作されているという。

「その最も顕著な例は、気温の記録だ」とハッパー氏は語る。「20年前に発行された気温記録を見ると、米国において、最も暖かった年は1930年代半ばだったことがはっきりと示されている」

「今日のデータを見ると、それはもはや真実ではない。そのデータを担当している人々は、一般の人々が目にするものだが、30年代の気温を徐々に下げ、より最近の測定値を上げているという操作をしてきた」とハッパー氏は述べている。

気候変動に対する科学的な「コンセンサス」

地球温暖化説の支持者は、地球温暖化は「確立された科学」であり、ほぼすべての科学者が地球温暖化は現実であり、人間活動の結果であることに同意しているとよく述べている。

NASA の公式声明によると、「積極的に出版している気候科学者の大多数 (97%)は、人間が地球温暖化と気候変動を引き起こしていることに同意している。世界中のほとんどの科学機関が、これを表明する公式声明を発表している。

そこには米国を含むほとんどの国際的な科学アカデミー、国連の気候変動に関する政府間パネル、および信頼のおける世界中の科学団体全体が含まれる。

コーネル大学の報告書によれば、8万8125件の気候関連研究を対象とした調査を行い、査読済みの科学論文の99.9%以上が「気候変動は主に人為的な原因によるものだ」と同意していると発表した。

しかし、ハッパー氏は、著名な物理学者であるリチャード・ファインマンの科学的手法に関する講義での名言「実験と一致しないなら、それは間違っている」を引用しながら、
「コンセンサスは科学ではない」と主張した。

「科学は決してコンセンサスによって作られたものではない」とハッパー氏は断言する。「科学において何が真実であるかを判断する方法は、それを実験や観察と比較することだ」

「コンセンサスがあるかどうかは問題ではない。ノーベル賞受賞者の発言で真実が決まるわけではない。それが観察と一致しない場合、それは間違っている。これが気候モデルの現状というものだ。観察結果と一致していないのだから、彼らは明らかに間違っている」

国立医学図書館は、2003年に医師で作家のマイケル・クライトン氏が、カリフォルニア工科大学で行った「コンセンサスは政治の仕事である」という講演を引用している。

「逆に、科学の世界で必要とされるのは、正しい真理を究明する研究者が 1 人いるということだ。つまり、その研究者は、現実の世界と照らし合わせて検証可能な結果を出すのだ」とクライトン博士は語った。

「科学においてはコンセンサスは無関係だ。重要なのは再現可能な結果である」

「気候災害の当初の予測によれば、今頃は、ニューヨークは洪水に見舞われ、北極に氷がなくなり、イギリスはシベリアのようになっていた」とハッパー氏は語った。

「彼らが予測したことは、実際には何も起きなかった。自分たちにお金が回ってくるようにするために何かをしなければならないので、彼らは、『地球温暖化』を『気候変動』という呼び名に変えた」

(翻訳・大室誠)

(続く)

経済記者、映画プロデューサー。ウォール街出身の銀行家としての経歴を持つ。2008年に、米国の住宅ローン金融システムの崩壊を描いたドキュメンタリー『We All Fall Down: The American Mortgage Crisis』の脚本・製作を担当。ESG業界を調査した最新作『影の政府(The Shadow State)』では、メインパーソナリティーを務めた。
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