X社、言論の抑圧めぐり米投資家ソロス氏財団を提訴か マスク氏が表明

2023/08/26
更新: 2023/09/06

米短文投稿サイトX(旧ツイッター)運営会社オーナーのイーロン・マスク氏は、X上で 著名投資家ジョージ・ソロス氏が資金提供する団体を訴えると表明した。

調査ジャーナリストのマイケル・シェレンバーガー氏は23日、ソロス氏設立の慈善基金「オープン・ソサエティー財団」(OSF)がヘイトクライム(憎悪犯罪)の件数が増加しているという「誤った情報」を流して、財団側がヘイトクライムを誘発するとみなす特定の発言を取り締まるなどの言論の自由への抑圧を正当化しようとしているとX上で投稿。

昨年ツイッターを買収し、「言論の自由を守るとりで」に変える意向を表明したマスク氏もこの投稿を引用し、シェレンバーガー氏の見解に賛同の意を示したうえで、「Xはこれを阻止するために法的措置をとるつもりだ。証拠開示が始まるのが待ちきれない!」とオープン・ソサエティー財団を相手取り訴訟を起こす考えを明かした。

「政治家やジョージ・ソロスが資金提供するNGOは『ヘイト事件』が増加していると言っているが、実際はそうではない」とシェレンバーガー氏は投稿。

そのうえで、「マイノリティに対する寛容度はかつてないほど高まっている。彼らが憎悪に満ちた誤った情報を流しているのは、言論の自由に対する強権的な取り締まりを正当化するためだ」との見方を示した。

訴訟に関する詳細については現在明らかにされていない。

またオープン・ソサイエティ財団について、シェレンバーガー氏はアイルランドのジャーナリスト、ベン・スカラン氏の記事を紹介し、同財団の支援を受けたNGO団体がアイルランドとスコットランドで、警察による家宅捜索など「検閲アジェンダ」を推進していると投稿した。

オープン・ソサエティ財団の支援を受けているNGOの名前については特定できていないという。

7月、アイルランドでは法務大臣のヘレン・マッケンティー氏は昨年、同国でヘイトクライムが増加していると発表。

いっぽう、スカラン氏によると、アイルランドの警察と政府は数年間ヘイトクライムに関する目撃情報などを通報するよう促しており、警察はヘイトクライムの報告数を増やすという不可解な目標を設定している可能性があるという。

エポック・タイムズは現在、オープン・ソサエティ財団に対し、シェレンバーガー氏の見方とマスク氏の提訴に対するコメントを求めている。

マスク氏「ソロスは人類を憎んでいる」

マスク氏とソロス氏との関係をめぐっては、5月15日、マスク氏がソロス氏をマーベル・コミックに登場するユダヤ人の超悪役「マグニートー」になぞらえたうえで、「彼は文明の構造そのものを侵食しようとしている。ソロスは人類を憎んでいる」とX上に投稿

米CNBCの看板アンカーであるデビッド・フェイバー氏は5月16日、マスク氏にインタビューを行い、上記の投稿について問いただすと、マスク氏は自身の投稿への世間の反応は大げさだと答えた。

「皆落ち着いて。この件を連邦裁で争う事例にさせるのはやめよう」と呼びかけた。

この投稿が、マスク氏が率いる会社の収益に与える影響を考慮しなかったのかとの質問に対しては、「減益を恐れるがために沈黙することはない」と答えた。

「私は自分の望むことを言うし、その結果、お金を失うことになるのなら、それはそれでいい」「これは言論の自由だ」「私は言いたいことを言うことが許されている」と語った。

インタビューの中で、ファーバー氏はマスク氏のX上での投稿について「陰謀論のようなツイートもありますね」と述べると、マスク氏が「まあ、そうなんですが、正直なところ……陰謀論のいくつかは真実だと判明している」と答えた。

「ハンター・バイデンのノートパソコンのようにね」と述べると、フェイバー氏は「事実だ」と同意した。

「あれはかなり大きな出来事だった。…ツイッターやその他の企業は、一般大衆に関連する情報を抑圧する行為に及んだ。ひどい出来事だ。それは選挙妨害だ」とマスク氏は述べた。

The Epoch Times上級記者。ジャーナリズム、マーケティング、コミュニケーション等の分野に精通している。
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