トランプ政権の教育政策 知っておくべき5つのこと

2026/01/04
更新: 2026/01/04

トランプ米大統領は2024年の選挙期間中、教育改革を優先事項に掲げ、就任直後から迅速に行動を開始した。

一連の大統領令に続き、初等・中等教育(K-12)から高等教育に至るまで、これまでの教育のあり方を根本から見直す動きを見せた。 この改革は納税者の負担を数千億ドル節約する可能性がある一方、民主党の州知事や全国教職員組合からの反発を招いている。

教育省は年末のウェブサイトへの投稿で、「これらは保守派が数十年にわたり提唱してきた改革だ。そして我々は1年でそれを現実のものとした」と宣言した。

2025年におけるトランプの教育政策について知っておくべき5つのポイントを以下に挙げる。

1. 教育省の廃止

トランプは、政策決定権を州に返還し、資金提供の仕組みを他の連邦機関に移管するという自身の目標を支持するリンダ・マクマホン氏を教育長官に任命した。これにより、彼女自身が職を失う可能性もある。両者は、教育省を正式に廃止するには議会の承認が必要であることを認めている。

マクマホン教育長官は即座に職員を半減させ、ワシントン以外の支局を閉鎖した。これまでに、特殊教育、学生ローン・学資援助、公民権局、およびデータ・情報サービスを除くすべての機能を他省庁に移管する計画を発表している。以前の示唆によれば、これらのプログラムはそれぞれ、保健福祉省、財務省、司法省、国勢調査局に吸収される可能性がある。

マクマホン長官は先月、連邦政府の官僚機構を排除することで、より多くの資金を直接教室に届けることができると発表した。さらに、こうした省庁間の合意は「経済法(Economy Act)」の下で許可されていると付け加えた。同法は、より安価な民間代替案がない場合、機関同士の取引を認めている。

今後数ヶ月かけて、国(連邦政府)が細かく使途を決めていた従来の補助金を廃止し、州が自由に使い道を決めることができる「一括交付金」制度へと切り替えていく。その間、マクマホン長官は全米の学校を視察して教育現場のリーダーから意見を聞き、小中高の学力を底上げするための「効果的な教育手法」を州や学区に提示していく方針だ。

全米教育協会(NEA)は、これらの一連の動きを「違法で冷酷、かつ恥ずべき行為」と非難している。

2. 公民権

トランプ大統領は、人種に基づく採用、入学、カリキュラム、義務的な多様性トレーニング、人種や民族による親睦団体(アフィニティ・グループ)などのDEI慣行の使用を禁止する大統領令に署名した。これに続き、キャンパス内の反ユダヤ主義を非難し、タイトル・ナイン(教育改正法第9編)の下で女子スポーツプログラムを保護する命令も出された。

教育省と司法省は即座にこれらの政策の執行を開始し、調査を実施するとともに、公民権違反や混乱・暴力を伴う反ユダヤ主義的抗議活動の経歴がある大学に対し、数十億ドルの連邦資金を差し止めた。

トランプ氏は調査対象となったコロンビア大学、ブラウン大学、コーネル大学、ペンシルベニア大学、ノースウェスタン大学、ワグナー・カレッジ、バージニア大学を含む複数の大学と和解に至った。

コロンビア大学は2億ドルの罰金に加え、同僚や学生から嫌がらせを受けたユダヤ系職員に2100万ドルを支払う。差別的な学生入試慣行と反ユダヤ主義の両方で指摘されたコーネル大学は、連邦政府に3000万ドルの制裁金を支払い、米国の農家に直接利益をもたらす研究に3000万ドルを投資することに同意した。

女子水泳チームに男子選手の出場を認めたとして制裁を受けたペンシルベニア大学は、当該選手(リア・トーマス)から2022年のNCAA全国優勝を含むすべての賞を剥奪し、彼と競い合ったすべての女子水泳選手に謝罪文を送付することを求められた。

トランプ氏はカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)への5億ドル以上の研究助成金を凍結しようとしたが、大学側は資金の放出を命じる連邦裁判所の命令を勝ち取った。

国内最古かつ最も裕福なハーバード大学との法廷闘争も継続中である。同機関への数十億ドルの研究助成金を差し止めるトランプ氏の試みに対し訴訟が提起されたが、両者は和解について協議している。9月、トランプ氏は和解案に、人工知能やエンジンなどの職業教育を行う専門学校プログラムへの5億ドルの拠出が含まれる可能性があると述べた。

しかし、米国のほとんどの大学は連邦政策に異を唱えず、オンライン上のDEIプログラムに関する記述を削除している。

トランプ氏がK-12の教育機関に対して行った公民権措置ははるかに少ないが、男子生徒が女子スポーツに参加することを許可したり、子供の性的指向や選択した性別に関する情報を親に隠すことを許可したりする州に対しては、連邦資金を差し止めると警告している。

3. 高等教育コンパクト

2025-2026学年度が始まった後、トランプ政権は「高等教育における学術的卓越性のための協定(コンパクト)」を9つの大学に提示した。

これに同意した大学には、連邦助成金の優先的な検討や研究費の柔軟性が与えられる。条件には、人種による優遇措置の廃止、大学入試における全国共通試験(SAT)のスコア提出を、再び必須とすること、学部留学生の割合を15%に制限、5年間の授業料凍結、政治・社会問題に対する大学としての不偏不党の維持、現役兵や退役軍人が軍で修得した訓練や経験を、大学の卒業単位としてすべて認めることが含まれる。

7校はこの申し出を拒否し、そのような契約は大学の独立性を損なうと発表した。残りの2校、ヴァンダービルト大学とテキサス大学は、まだ決定を発表していない。

4. 普遍的な学校選択制

今年議会を通過した「One Big Beautiful Bill Act(一つの大きく美しい法案)」には、私立学校のバウチャー(利用券)を支援する連邦奨学金税制プログラムが含まれている。

2027年から始まるこの制度では、認定団体に寄付をすると、「寄付した額と同額」が所得税などの税金から直接差し引かれる。 この資金は授業料だけでなく、通学費や学用品代などの補助にも充てられる。また、本当に助けが必要な家庭に支援が届くよう、年収による利用制限も設けられている。

このプログラムへの参加は州の任意であり、知事たちは今後数ヶ月かけて検討する。

トランプ氏とマクマホン氏は、郵便番号によって割り当てられた学校に通う「一律(ワンサイズ・フィッツ・オール)」のアプローチが、全米のテストスコア低下の主な原因であるとして、学校選択制を推進してきた。

4月の大統領演説を受けてテキサス州で可決された法案は、破格の教育支援を盛り込んでいる。初年度の私立校向け授業料補助(バウチャー)に10億ドルを投じるほか、自宅で学習する家庭には生徒1人あたり2,000ドルを支給する。さらに、より良い教育環境を求めて転校する障がいを持つ生徒には、最大3万ドルの手厚い支援金が提供される。

5. 学生ローンと高等教育の透明性

トランプ氏は、500万人以上の借り手に対し数千億ドルの延滞債務を免除しようとした前任者ジョー・バイデン氏の学生ローン政策を刷新した。また、バイデン政権下で学生や保護者が無制限に借り入れ可能であった学生ローンプログラムに制限を設けた。

ニコラス・ケント教育次官は12月9日の声明で、「トランプ政権はこの過ちを正し、この欺瞞的な計画に終止符を打つ。法は明白だ。ローンを借りたなら、返さなければならない」と述べた。

教育省は間もなく、ローンを滞納している借り手の給与差し押さえを開始する。同省はまた、月々の支払額減額を求める約38万件の申請を却下した。全米教職員連盟(AFT)は、バイデン時代の返済取り決めを維持するために政権を提訴している。

一方、連邦学資援助を申請する際、借り手は大学のデータに基づき、卒業後の潜在的な収入見込みについて通知されるようになった。

2026年には、トランプ氏は超党派の「大学透明性法(College Transparency Act)」を推進する見込みである。これは、国立教育統計センターに対し、高等教育のコストや学資援助の分析、学生の在籍パターン、修了率、卒業後の成果の評価を義務付けるものである。

複数の日刊紙、雑誌、専門媒体で執筆してきたジャーナリストであり、これまでに連邦政府の身元調査官やメディケア不正対策のアナリストとしても勤務した経歴を持つ。ニューヨーク州立大学バッファロー校を卒業し、現在はニューヨーク州北部を拠点に活動している。