神韻神戸公演が閉幕「対立ではなく、救い合い」老僧が希望見出す

2024/02/13
更新: 2024/02/13

12日、日本を巡回公演中の神韻芸術団が、兵庫県の神戸文化ホールでの最終公演を行なった。ニューヨーク発、失われた中国伝統文化の復興を掲げ、世界中の劇場で公演を行う神韻芸術団。前日の2公演に引き続きこの日もチケットは完売。世界最高峰の中国古典舞踊を届ける夢の舞台に、満場の劇場から称賛の声が届いた。

「幸せをいっぱい頂いた」映像制作会社社長が感激

2024年2月12日午後、映像制作会社社長の村上登志男さんが、神韻ニューヨーク芸術団の神戸文化ホール大ホールでの公演を鑑賞した。(牛彬/大紀元)

この日、映像制作会社社長の村上登志男さんが公演を鑑賞した。「もう最高でしたね。相当な訓練を積み、努力をされてきたのでしょう。完成度がすごく高かったです」と感激を語った。

「まず、中国の古典的な衣裳ですね。特に長い袖の女性舞踊がすごく良かったです。男性のダイナミックでエネルギッシュな動きは、あれだけの大人数で踊って一寸違わず綺麗なバランスが取れていることに、技術の高さを感じました」

神韻公演は古典舞踊や舞踊劇、歌曲の独唱、中国楽器の独奏など、約20の短い演目からなり、歴史絵巻のような世界に観客をいざなう。「幕が上がっては下りて、それぞれの物語に意味があって、それがよく分かりました。飽きないように全体が構成されているので、ものすごく感動しながら見させていただきました」

「演出の良さ、これにまた感動しましたね 」と村上さんは続けた。ステージ後方に鮮やかな光景を映し出す3D背景幕が演者と一体化し、観客を世界観に引き込む。「舞踊の技術はすごく良いですけど、さらに映像との組み合わせがものすごく良くて、迫力がありました」

「オーケストラに中国の伝統楽器を巧みに織り混ぜていたのも、素晴らしかったです。二胡は良かったですね。独奏もありましたけど、これぞ中国というか、あの音色は何とも哀愁がありますね」

舞踊劇の演目では、神仏を敬い徳を積むことで天に回帰するといった中国古来の道徳観が反映されている。「中国独特の宗教観がありましたが、人間は神様の下で日々生かされていて、必ずどこかで神様が助けてくれると信じて生活してるところは日本と共通しています」と村上さんは受け止めた。

「インスピレーションをものすごく感じましたよ。やっぱり人生はいっぺんに花開くわけではなくて、苦難がいっぱいあるけれど待っていればいつかまた幸せが来るという、そういう気持ちにさせてくれます。幸せをいっぱい頂きましたよ。また来ますね!」

「対立ではなく、救い合い」老僧が希望見出す

2024年2月12日午後、前住職の大厳さんが、神韻ニューヨーク芸術団の神戸文化ホール大ホールでの第三回公演を鑑賞した。(寺田崚平/大紀元)

「私もこの公演と同じことを考えていました」。そう語ったのは、1200年以上の歴史を持つ寺院で住職を務め、現在は退任された老僧の大厳さんだ。

「世の中のことですな。本当の人間というものを回復せんといかんですな。みんな困っているというか、自分を救うことができんというか、自分に苦しむ人がたくさんおるわけね。そういう自分の心を磨くには、忍がいるんですね」

現代劇の演目では、法輪大法の学習者らが、共産党政権から迫害を受けながらも善良な信念を貫く。法輪大法は1992年に中国で伝え出された精神修養法で、学習者は「真善忍」の理念に照らして良くない考えや行いを手放し、心身の向上に努める。

「忍が要ることは、大変であればいいんですな。対立するのでなく、相手を許すことでお互いが救うというかね。救うたり救われたりする、それがやっぱり忍というものですな。そういうことをせんと。お釈迦さんのように、宇宙全体に通じる真実というものを広めなきゃいけないということですな。大変感激しました」

中国古代では、芸術は天上の神を賛美するためのものとされ、表現技法だけでなく心の修養も重んじられた。法輪大法を修める神韻のアーティストらは、その高貴な精神的伝統を踏襲しており、舞台装置に革新技術を取り入れながら、純善純美の舞台芸術を現代に蘇らせている。

「やはり現代の科学というものは必要で、進歩したけれど、神韻は根源的なもの、大昔からみんなが考えとったものを引っ張り上げているということですな。それがもう今はゼロになっていて、特に中国の今の状況はあまりにも酷いことになっていまして、あれじゃ長続きしませんですな。そうすると、限界が来てまた元に戻るというか、新しいものがまた生まれてくることを期待するんですわ」

大厳さんは、「もともとあった真理を生きるというか、もともとあったものに生き返ってくるというか、そういうもんですな」と語り、伝統文化の復興を掲げる芸術団の取り組みに共鳴した。

県議会議員「たくさんの人に知ってもらいたい」

2024年2月12日午後、兵庫県議会議員の長瀬たかしさんが、神韻ニューヨーク芸術団の神戸文化ホール大ホールでの第三回公演を鑑賞した。(藤野偉/大紀元)

この日、兵庫県議会議員の長瀬たかしさんが公演を鑑賞した。「初めて見たのですが、伝統的な芸術を見に行く感覚で来たら、すごく現代的でもあり、そして格調高いものだったので驚きました」と語った。

「中華料理店の演目が面白いなと思った」という長瀬さん。閉店の危機にさらされた老舗の料理店が、土壇場の団結力で苦難を乗り越える演目だ。

法輪大法(法輪功ともいう)に対する迫害を描いた現代劇の演目も印象に残ったという。「お兄さんが警察官で、妹さんが迫害を受けて、共に刑務所に送られるという、今法輪功の皆さんが中国大陸で苦労されている様子が、ストーリーとしてよく表れているなと思いました」

演目の中で、刑務所に送られた妹はいわゆる「臓器狩り」の犠牲にあう。共産党政権は、国家ぐるみで無実の人々から生きたまま臓器を収奪し、移植用に売買することで巨額の富を得ている。「臓器狩りに関しては、残念ながら日本にもお金を払って臓器移植を受けている富裕層がいると聞いております。事実をはっきりとさせ、マスコミももっと報じるべきだと思います」と受け止めた。

「日本の政府や自治体が中国共産党に遠慮してあまり理解を示さないことは、日本国民の一人として大変恥ずかしく、申し訳なく思っております。そう遠くないうちに、中共政府に対してどういう態度を取ったかということで皆の責任が問われる時代が来るのではないかなと思います」

今年で創設17年目を迎える神韻は、現在8つの同規模の芸術団を抱え、それぞれが世界ツアーを行っている。昨シーズンには24か国の200近い都市をめぐり、数々の世界トップレベルの劇場で満員の大盛況を記録した。

「今日も満員でたくさんの方が来場されていますが、まだこのことを知らない市民もたくさんいますので、もっとたくさんの人に知ってもらいたいです」と長瀬さんは語った。

大紀元は神韻芸術団の後援として、2006年の芸術団創設以来、観客の声を伝えています。

大紀元報道記者。東京を拠点に活動。