イスラエルの軍用機は6月13日早朝、イラン全土への空爆を開始した。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、これは国家を守るための重要な措置だと述べた。
「イスラエルは先ほど、『ライジング・ライオン作戦』を開始した。これはイスラエルの存亡に対するイランの脅威を後退させるための標的型軍事作戦である」とネタニヤフ首相は、最初の砲撃の報道が出た直後のテレビ演説で述べた。
ネタニヤフ首相は演説で、イランには核弾頭9個分に相当する高濃縮ウランが備蓄されており、数カ月以内に最初の核弾頭を生産できる可能性があると述べた。
ネタニヤフ首相は、イスラエルの攻撃作戦は「この脅威を排除するのに必要な日数だけ」継続されると述べた。
被害の詳細は今のところ第三者が確認できていないが、イスラエル軍はイランの核開発に関する重要な施設を正確に狙うため、信頼できる情報を使ったと説明している。
ネタニヤフはビデオ声明で、今回の攻撃はイランの主な核濃縮施設であるナタンツと、核兵器開発の中心人物とされる科学者を標的にしたと明らかにした。
国際原子力機関(IAEA)は、ナタンツが標的となった場所の一つであることを確認した。
「我々はイランの弾道ミサイル計画の中核も攻撃した」とネタニヤフ首相はテレビ演説で述べた。
イラン国営テレビはまた、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)司令官のホセイン・サラミ少将がイランの首都テヘランでイスラエル軍の攻撃により死亡したことを確認した。
イスラエルは報復に備える
イスラエルの戦闘機がイランへの攻撃作戦を開始すると、イスラエル軍はイランの報復に備えて国民に避難するよう勧告し始めた。
「イスラエルの市民の皆さん、絶対的な成功を約束することはできません。イラン政権は報復として我々を攻撃しようとするでしょう。予想される被害は、我々がこれまで見てきたものとは異なるものになるでしょう」と、イスラエル軍のエヤル・ザミール中将は述べた。
イランは、イスラエルによる空爆でイランのアッバス・ニルフォルシャン将軍とレバノンのヒズボラ指導者ハッサン・ナスララ師が殺害されたこと、さらにテヘランでハマス指導者イスマイル・ハニヤ政治局長が暗殺された作戦への報復として、2024年10月にイスラエルに対してミサイルの一斉発射を行った。
イランの最高指導者アリ・ハメネイ師は金曜朝の記者声明で、イスラエルは「厳しい処罰を覚悟しなければならない」と述べた。
「シオニスト政権はこの犯罪によって自らに苦く痛ましい運命を用意したのであり、それを必ず受けることになる」とイラン指導者は付け加えた。
米国は関与を否定
「今夜、イスラエルはイランに対して独自に攻撃を行った。我々はイランへの攻撃には関与しておらず、最優先事項は地域における米軍の保護だ」と、マルコ・ルビオ米国務長官は攻撃開始直後に述べた。
ルビオ氏は軍事作戦への米国の関与を否定する一方で、イスラエル当局は米国政府に対し、攻撃は国家の自衛のために必要だと考えていることを米国に伝えていたと述べた。
イスラエルの作戦が始まる前に米国政府がその作戦についてどの程度知っていたかは正確には分からない。
6月11日、バグダッドの米国大使館は職員の削減を開始した。6月12日、「ライジング・ライオン作戦」開始の数時間前、在イラクの米国大使館は米国民に対し、同国への渡航を控えるよう改めて警告した。一方、在イスラエルの米国大使館は、職員に対し、テルアビブ、エルサレム、ベエルシェバ地域から追って通知があるまで退避するよう指示した。
ドナルド・トランプ大統領は6月12日の法案署名式で、イスラエルの攻撃が差し迫っているかどうかについての質問を受けた。
「差し迫っているとは言いたくないが、それは起こり得ることのようだ」と大統領は答えた。
イスラエルの攻撃を受けて、ルビオ氏はトランプ政権は同地域の米軍を守るためにさらなる措置を講じており、地域のパートナーと連絡を取り続けていると述べた。
「はっきりさせておきたいが、イランは米国の利益や人員を標的にすべきではない」とルビオ氏は付け加えた。
米国議員の複雑な反応
「ライジング・ライオン作戦」は米国議員からさまざまな反応を引き起こした。
Xの投稿で、トム・コットン上院議員(共和党、アーカンソー州選出)は、この作戦を称賛し、「イランは多くのアメリカ人の死に関わっており、アメリカ本土を攻撃できる核兵器やミサイルを急いで作ろうとしている」と主張した。
「我々はイスラエルを全面的に支持する」とコットン氏は語った。
リック・スコット上院議員(共和党、フロリダ州)は、この地域のアメリカ人の安全と、イスラエルによるイラン攻撃の成功を期待すると述べた。
「今夜、私はすべてのアメリカ国民に、中東のアメリカ人職員の安全と、主要なテロ支援国であり我々の共通の敵であるイランに対して行動を起こすイスラエルの安全と成功のために私と一緒に祈るようお願いする」とスコット氏はXへの投稿で述べた。
上院軍事委員会の民主党トップ、ジャック・リード上院議員(アイオワ州選出)は、イスラエルの作戦は地域をさらに危険にさらしていると述べた。
「イスラエルによるイランへの空爆開始という憂慮すべき決定は、地域の暴力を誘発するリスクを伴う無謀なエスカレーションだ」「これらの攻撃は、罪のない民間人の命だけでなく、中東全体の安定を脅かすものだ」とリード氏は記者団に述べた。
ホアキン・カストロ下院議員(民主党、テキサス州選出)は、イスラエルの攻撃は、外交手段でイランの核開発の野望を抑制しようとするトランプ大統領の取り組みに対する「純粋な妨害行為」だと述べた。
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