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中国 ──地震時の爆笑Uターン劇。命も大事、でもナスも大事...

「あの時、ナスだけは置いていけなかった」 地震発生時ある一家の「異色の避難劇」=中国【動画あり】

2025/06/25
更新: 2025/06/25

6月23日夕方、中国広東省清遠(せいえん)市でマグニチュード4.3の地震が発生。広州や深圳(しんせん)などでも揺れが観測されたなか、ある家庭の監視カメラに映った「異色の避難劇」が中国のネットで話題となった。

舞台はとある家庭のダイニングで、父と息子2人が楽しく夕飯を囲んでいたその時──地震発生!「地震だ!」と叫びながら父は即座に弟を連れて出口へダッシュ。長男も慌てて玄関へ……と思いきや、急ブレーキ!

「そうだ、俺、まだナス食べてねぇ!」とでも思ったのか、突然、Uターンし、食卓に戻ると、大急ぎでごはんを口にかき込み始めた。

 

いったんは逃げたものの、Uターンして大急ぎでごはんを口にかき込み始める少年。(スクリーンショット)

 

少年は短時間では完食できないと悟るやいなや、おかずの中から好物の焼きナスをターンテーブルで探し当て、しっかり器ごとキープ。そしてごはん茶碗を持って再度、避難を試みた。

「命より焼きナスか!」とツッコミたくなる行動に、父は「皿置いて逃げんかい!」と真っ当な説教をしたところ、泣く泣く料理を戻す少年。しかし未練タラタラで、最後にもう一口、もう一口……と口いっぱいに詰め込み、ようやく避難を開始した。

 

(本格的な逃避難開始前に、「最後にもう一口、もう一口……」と食事を口いっぱいに詰め込む少年)

 

ちなみに一家は9階に住んでいたため、避難先は建物の外。1時間後に安全確認を終えると、「じゃ、続きを食べるか」と普通に帰宅。最初から最後まで食への執念がブレない「完食系男子」ぶりを見せつけた。

地震翌日、父親は、中国メディアの取材に対し、「あの時、食事が盛られた皿を持っていったら、転びやすいと思って阻止した」と説明し、「あとで映像を見て笑った」と語る。ちなみにあの時、選ばれたナスは、少年にとって特に“推しメニュー”ではなく、「まあ、好きなほう」だったとのこと。

SNSでは「焼きナスを選ぶところにセンスを感じる」「腹が減っては逃げられぬ」「まずはメシ、話はそれから」「なぜ太ってるか、これみてわかった」といったほっこりコメントが多く寄せられた。

命あっての焼きナス。だが、焼きナスあっての人生という説もある。非常時に何を持って逃げるかは、人間の本性をあらわにする。彼にとって、それが「ナス」だっただけの話だ。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!