イスラエル外相が中国を「邪悪の枢軸」と初めて名指しで批判した。
今年7月初旬、イスラエルにおいて歴史的な発言が飛び出した。イスラエルのギデオン・サアル外務大臣がバルト三国歴訪中の公の場で、中国、ロシア、北朝鮮を「自由世界を脅かす新たな邪悪の枢軸国」と断じ、これらの国々がイランを支援し、中東におけるテロ組織の温床となっていると明言した。
外相という政府の代表が中国を名指しで糾弾したことで、イスラエルが中共、ロシア、北朝鮮、イランを共通の脅威と位置づけ、もはや外交的曖昧さを一掃した姿勢が明確となった。
この発言を受け、アメリカ国務省は即座に支持を表明した。一方で、名指しされたロシアと北朝鮮は沈黙を貫き、中国共産党(中共)のみが「根拠のない非難」と反発した。中共側の抗議は、従来の「戦狼外交」と異なり、迫力を欠いた。イスラエルに対する抗議行動や街頭デモのような積極的対応も見られず、外交的反撃は限定的なものにとどまった。
なぜいま「中共=邪悪の枢軸」なのか
イスラエルによる中共名指し批判は突発的なものではない。近年の戦争や紛争の現場において、中共の影響力が一貫して確認されてきた。ロシアによるウクライナ侵攻、中東で活動するハマス、フーシ派、ヒズボラの動向、そしてイランの軍備増強――これらすべてにおいて中共の支援や技術供与が関与しており、イスラエルと自由主義諸国を揺さぶる構図が浮かび上がっている。
最近では、イスラエルによるイラン空爆において、中共が供与した最新型のJY-10防空指揮管制システムがイラン国内に配備されていた。JY-10は最大100目標を同時追跡可能とされていたが、実戦ではイスラエル機も爆弾も検知・迎撃できず、「誰も検知しない防空システム」という皮肉な結果を晒した。
イスラエルの危機意識と国際社会への警鐘
イスラエルは、中共・ロシア・北朝鮮の軍事技術とイランや各種テロ組織との結託によって「新たな邪悪の枢軸国」が形成され、中東の安定と自由主義陣営に対する脅威が拡大していると訴えている。従来の空疎な対話路線から、明確な脅威認識と断固たる対抗措置への転換が求められており、イスラエル国内でもその必要性を主張する声が高まっている。イスラエルの警告は、新たな国際秩序の構築において重要な転換点を示すものとなる。

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