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「中共スパイ」疑惑のフィリピン前市長に終身刑 人身取引の罪で

2025/11/20
更新: 2025/11/20

フィリピンの裁判所は20日、「中国共産党(中共)のスパイ」疑惑が持たれている北部バンバン市のアリス・グオ前市長に対し、人身売買に関与した罪で終身刑を言い渡した。

グオ被告は他の3人とともに有罪となり、さらに200万ペソ(約530万円)の罰金も命じられた。

2022年にバンバン市長に当選したグオ被告は、当選当時からその国籍と経歴に疑念が呈され、国籍を偽って市長の座に就いていたとされる。

グオ被告は市長として務める一方、フィリピン史上最大規模のオンライン詐欺拠点における人身売買に関与していたとされる。同詐欺拠点は、オンライン賭博を隠れ蓑にし、ロマンス詐欺などを行っていた。

警察が拠点を奇襲した際、詐欺への加担を強要させられていた被害者約800人を救出。救出した被害者の国籍は、中国やベトナム、マレーシア、インドネシア、ルワンダ、台湾など多岐にわたる。被害者らは、詐欺を拒否すれば拷問を受けていたと供述している。

グオ被告は自身の事件への関与を否定し続けていたが、詐欺拠点がグオ被告が所有する土地の上に建っていたことから、同被告への捜査が始まった。

捜査が進むにつれ、グオ被告の正体に関する驚くべき事実が次々と浮上した。同被告は、自身はフィリピン生まれであると主張していたが、実際には10代の頃に家族とともに中国から移住していたことが判明した。

さらに、議員らによる調査の結果、彼女の指紋が中国籍の人物の指紋と完全に一致することを突き止めた。これにより、グオ被告が中共のスパイとしてフィリピン国内で活動していたのではないかという声が政界で一気に広まった。

グオ被告はほどなくして市長の職を解かれた。捜査が進む中、昨年7月に突如として姿を消し、4か国合同による国際的な追跡作戦が開始された。同年9月、グオ被告をインドネシアで逮捕し、フィリピンに送還した。フィリピンのパスポートは無効となっている。

なお、中共政権はグオ被告のスパイ疑惑について沈黙を保っている。

エポックタイムズ記者。日本の外交をはじめ、国内外の時事問題を中心に執筆しています。