トランプ氏 対ベネズエラ第2次攻撃を中止 政治犯釈放で方針転換

2026/01/10
更新: 2026/01/10

トランプ米大統領は、ベネズエラの暫定政権が政治犯の釈放を開始したことを受け、これまで想定していた第2次の軍事攻撃は中止だと明らかにした。ベネズエラの指導者マドゥロ氏を麻薬テロ関連の容疑でアメリカに移送した後、同国が和平に向けた重要な一歩を踏み出したと評価した。

トランプ氏は1月9日、SNSトゥルース・ソーシャルへの投稿で、ベネズエラが多数の政治拘束者を解放していることについて「和平を求めている証しだ」と述べ、「非常に重要で賢明な対応だ」と評価した。

また、ベネズエラ側がアメリカ当局と協力し、とりわけ石油・ガスインフラの再建計画に応じたことが、追加の軍事行動を見送る判断につながったと説明した。

「この協力を受けて、予定していた第2波の攻撃を中止した。もはや必要ないとみられる」と記し、アメリカ海軍の艦艇は、「安全と治安の確保のため」引き続き地域に展開するとした。

さらに、トランプ氏は、大手石油会社がベネズエラのエネルギー分野に少なくとも1千億ドルを投資する見通しで、9日にホワイトハウスで主要石油企業の幹部と会談した。

8日に放送されたFOXニュースのインタビューでは、アメリカの主要14社の石油会社がベネズエラに進出し、同国の膨大な埋蔵量を活用するため、石油インフラ全体を再建する用意があると語った。

石油輸出国機構(OPEC)の創設メンバーで、世界最大級の確認埋蔵量を持つベネズエラは、2000年代初頭には日量300万バレルを超えていた原油生産量が、近年は運営の混乱や投資不足、汚職、制裁の影響で100万バレル未満に落ち込んでいる。

トランプ氏は、アメリカ企業が18か月以内に生産を回復させられるとの見方を以前示していたが、NBCニュースのインタビューで「それより短期間で可能だと思うが、莫大な資金が必要だ」と述べ、「膨大な投資を石油会社が行い、その後に政府や収益を通じて補填する」と語った。

今回の発表は、3日未明に実施したアメリカ軍の作戦に続くもので、この作戦ではカラカスへの空爆が行われ、マドゥロ氏と妻のシリア・フローレス氏を拘し、薬物および武器関連の罪でアメリカに移送した。

第2次攻撃の可能性

トランプ氏はこの作戦後、ベネズエラに残る指導部が協力を拒否した場合、さらなる軍事行動もあり得ると警告していた。今週初め、エアフォース・ワン機内で「必要なら第2次攻撃を行う用意がある。従わなければ、実施する」と述べた。

また、1月4日にアメリカ誌「アトランティック」の取材に対し、暫定政権のデルシー・ロドリゲス氏について「正しい行動を取らなければ、マドゥロ氏以上に大きな代償を払うことになる」と警告した。

これに対し、かつてマドゥロ政権で副大統領を務めたロドリゲス氏は1月5日の声明で、「国際法の枠組みの中で、共通の発展を目指す協力の議題についてアメリカ政府と協力する用意がある」と述べ、「トランプ大統領、両国民、そして地域が必要としているのは戦争ではなく、平和と対話だ」と強調した。

こうした協力姿勢を示す動きとして、ベネズエラ国民議会のホルヘ・ロドリゲス議長は8日、「和平を求める広範な意思の表れ」として、ベネズエラ人および外国人拘束者の「相当数」を釈放すると発表した。

人権団体によると、野党指導者のエンリケ・マルケス氏やビアジオ・ピリエリ氏が釈放され、スペイン政府も自国民5人の解放を確認した。

最終的に何人の政治犯が解放されるかは不明だが、人権団体フォロ・ペナルのアルフレド・ロメロ代表は1月9日、Xへの投稿で、これまでに釈放されたのは8人にとどまると明らかにした。前日には、依然として863人が政治的理由で収監されており、そのうち86人は外国籍だと指摘している。

The Epoch Times上級記者。ジャーナリズム、マーケティング、コミュニケーション等の分野に精通している。