中国での経歴が、海外では逆に不利に働くことがある。
公安副局長の夫を持つ女性のカナダ移民申請が却下された。人権侵害の証拠がなくても、「関与の可能性」だけで不許可とされた判断だ。
カナダ連邦裁判所が3月中旬に示した判例によると、この中国人女性は2016年8月、カナダの永住権を申請し、夫と子どもを同行家族として登録していた。
審査の過程で、夫が河北省の公安局に30年以上勤務し、副局長として捜査や取り調べを指揮していたことが確認された。部下100人以上を統括し、取り調べや拘束にも関わる立場にあったという。
女性は何度も「夫は違法行為には関わっていない」と説明したが、当局はこれを認めなかった。
カナダ移民当局は、国際報告で中国の取り調べに人権侵害が広く指摘されていることを踏まえ、夫は現場を監督する立場として、直接関与していなくても黙認していた可能性があると判断し、2024年9月、女性の永住権申請を却下した。
女性はこの決定を不服として裁判を起こしたが、連邦裁判所も移民当局の判断を支持した。裁判所は、個別の証拠がなくても、職歴や立場、そして国全体の状況を踏まえれば「関与の可能性」を理由に不許可とするのは合理的だと結論づけた。
中国では評価される経歴が、国外ではリスクと見なされる。その違いが、家族の将来を左右する結果となった。
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