2026年に入り、中国の統制強化が目に見えて進んでいる。特に4月に入ってからは、海外サイトへの接続を制限する動きが一段と強まり、一般市民のネット利用にも大きな影響が出始めている。
いわゆる「翻墙」と呼ばれる海外サイトへのアクセスは、これまでも規制対象だったが、最近では取り締まりがさらに厳しくなったとの指摘が相次ぐ。加えて、パスポートの取得や海外渡航の制限、SNS上での発言管理の強化なども重なり、社会全体の閉鎖性が一段と高まっている。
こうした状況について、専門家の間では「中国はすでに半封鎖状態に入った」との見方も出ている。経済の減速や社会不安の高まりを背景に、当局が情報と人の流れを同時に抑え込もうとしている。
一方で、こうした統制強化とは対照的に、若者の間では別の動きも広がっている。
今年の清明節の連休、中国各地の歴史上の人物の墓に、若者が独自の供え物を持参する現象が相次いだ。三国時代の武将・曹操や、前漢の名将・霍去病、明代の政治家・張居正などの墓前に、鎮痛剤やスナック菓子といった現代的な品を供え、「国を立て直してほしい」といった意味合いの言葉を添えていた。
こうした行動は、一見するとユーモラスにも見えるが、専門家は「単なる流行ではない」と指摘する。背景には、現在の社会や価値観に対する違和感があり、それを直接言葉にできない若者たちが、歴史上の人物に思いを託す形で表現しているという。
また、中国で長く教育されてきた共産主義思想に対し、伝統文化への関心が再び高まっている兆しと見る向きもある。
ネット規制の強化と、若者の静かな価値観の変化。表と裏で進むこの2つの動きは、今の中国社会の複雑な空気を象徴していると言えそうだ。
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