片山財務相 三菱UFJなど主要銀行幹部らと緊急会合へ アンソロピックAI「ミトス」の金融サイバー脅威に対応

2026/04/22
更新: 2026/04/22

片山さつき財務相が、米アンソロピック社が開発した次世代AIモデル「Claude Mythos(クロード・ミトス)」による金融システムへのサイバー攻撃リスクに対応するため、国内主要銀行の幹部らと会合を開く方針であることが明らかになった。ブルームバーグが報じた。

会合は早ければ今週中にも開かれる予定で、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループの担当者が集まる。日本銀行の植田和男総裁の出席も調整されているほか、全国銀行協会の加藤勝彦会長(みずほ銀行頭取)や日本取引所グループ(JPX)の山道裕己CEOの参加も準備されており、状況の認識を共有する予定だという。

今回の会合の背景には、ミトスを巡る警戒感の高まりがある。2026年4月に発表されたミトスは、主要なOSやウェブブラウザなどのソフトウェアに潜む未知の脆弱性を人間を超える速度で自律的に特定し、実用的な攻撃コードを短時間で構築する機能を有するとされる。

自民党のサイトによると、党国家サイバーセキュリティ戦略本部の平将明 本部長はミトスについて「人間の力では見つけることのできなかったシステムのぜい弱性を見つけることができる。またそれを悪用しようと思えば攻撃にも使える事象が起きている」との認識を説明した。攻撃者の手に渡れば、決済ネットワークやコアバンキングシステムを含む金融インフラに甚大な被害が生じる危険性も指摘されている。

アンソロピック社は一般公開を見送り、防御目的での利用に限って選定された企業や団体にのみ限定提供する措置を取った。しかし、提供計画の発表直後には、許可を得ていない数人の利用者がミトスにアクセスしたことも報じられた。

金融インフラへの脅威は米国で先に顕在化しており、ベッセント米財務長官とパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、ウォール街の銀行トップらと緊急会合を開き、リスクや各行の防衛策について協議した。米政府からの促しを受け、米大手銀行はすでにミトスのテストを開始している。

日本国内でも、自民党が2026年4月20日にサイバー防衛体制の強化を求める緊急提言を取りまとめた。提言では、米国でAWSや大手金融機関などが参画して立ち上げたミトスの防御活用プロジェクト「Project Glasswing」をモデルに、日本でも金融分野をはじめとする重要インフラ企業間でAIを活用した防御技術を共有する仕組みの創設を求めている。

三菱UFJ銀行の大沢正和頭取は、サイバーセキュリティーリスクについて金融機関のトップリスクの一つと述べている。片山金融相による今回の会合は、高度化するAI由来のサイバー脅威に対し、日本の金融システムがどのように備えを強化するかを議論する場となる。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます