過去の停戦局面から探る 日米株式市場の行方

2026/04/05
更新: 2026/04/05

2026年4月上旬現在、金融市場では米国とイランの停戦の実現可能性や、交渉の着地点に注目が集まっている。地政学的な不確実性が意識される中、野村證券のストラテジストが過去の停戦局面を検証したレポートが公表された。同レポートのデータから読み取れる日米株式市場の過去の傾向と、足元の市場環境に関する分析をまとめる。

過去11回の検証が示す「停戦前後の株高傾向」

1945年以降に発生した主要な戦争終結・停戦イベント(過去11回)のデータを検証した結果、株式市場には一定の規則性が確認されている。具体的には、停戦の3〜4週間前から停戦日にかけて、S&P500やTOPIX(東証株価指数)は平均して3〜4%前後上昇する傾向にある。さらに、停戦後1年間においては平均10%前後の上昇を記録しているという。

現在の市場に当てはめた場合、停戦への期待から原油高が一服すれば、中央銀行のタカ派化に対する懸念が後退し、これが株高要因として働きやすいと分析されている。

原油価格の動向と資源輸入国の推移 

足元の原油価格は期近物を中心に高止まりしており、当面はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)が10米ドル上昇すると日経平均先物が1千円下落するという、原油価格と日経先物の強い連動性が続くとみられている。特に、ホルムズ海峡封鎖下での停戦は日本への悪影響が大きく、供給制約への警戒は継続しやすい環境にある。

一方で、同じ資源輸入国であっても、シンガポールやイタリアのように2月末以降の株価がアウトパフォームしている事例も存在する。これは各国の外交力や調達先確保の取り組み次第で状況が変わることを示唆している。同レポートでは、遅かれ早かれイラン情勢は収束に向かうという大局観に基づき、足元の市場を「ハイリスク・ハイリターン」の局面と位置づけている。中長期投資家にとっては、時間分散を図りながら押し目買いを進めることが引き続き適切であるとの見方が示されている。

業績の下方修正はすでに「織り込み済み」の可能性

企業業績の動向についても重要なデータが提示されている。アナリストによる業績予想の方向感を示す「リビジョン・インデックス」は、現状小幅なプラス圏を維持しているものの、マイナスへの転落は時間の問題とされている。

しかし、TOPIXはこの指標に対して5週間前後先行して動く傾向があり、株式市場は今後のリビジョン悪化をすでにある程度織り込んでいると推測されている。実際、3月最終週以降、TOPIXの過去5週間の騰落率から算出されるインプライドリビジョン・インデックスは、2025年春以来のマイナスに転じた。

このため、業績悪化を実際に確認してから指数レベルで投資判断を下すのでは遅いと指摘されている。なお、企業業績の下方修正が目立ち始める局面では、相場全体の性質が変化することに留意が必要である。TOPIXの上昇ペースがやや鈍化するのに伴い、本来の価値より安く放置されている銘柄を狙う「バリュー(割安)投資」は利益を出しにくくなる。その半面、すでに上がり始めている銘柄の流れにそのまま乗る「モメンタム(勢い)投資」のほうが有効になりやすいという傾向がある。

エポックタイムズの速報記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。