「ムーアの法則超え」と宣伝 華為が半導体の新概念を提唱 冷ややかな声も

2026/05/27
更新: 2026/05/27

米国の制裁によって先端半導体技術の発展に制約を受けている中国通信機器大手「ファーウェイ(華為)」がこのほど、「半導体産業発展の新たな指導原則」を発見したとして「韜(τ)定律/タウ・スケーリング法則」を打ち出した。

中国共産党系メディアは「トランジスタ密度とシステム性能の突破を実現した」「半導体進化を再定義する」などと大々的に持ち上げたが、中国ネット上では「典型的な誇大宣伝だ」と冷ややかな反応が広がっている。

ファーウェイの取締役で半導体事業部門トップの何庭波氏は25日、「2026年IEEE国際回路・システムシンポジウム(IEEE ISCAS 2026)」で、「半導体の新たな道筋の探求と実践」と題する講演を行った。

何氏はその中で、「幾何学的縮小」に代わり「時間(τ)の縮微」を半導体と電子システム進化の新たな原則とする「韜(τ)定律」を提唱。「論理折り畳みなどの革新技術によって信号伝達の遅延時間を継続的に圧縮し、トランジスタ密度を高めることで、半導体と電子システムの進化を持続させる」と主張した。

これを受け、中共の官製メディア新華社や人民日報は、「ムーアの法則に対抗する新理論」「世界半導体ルールを書き換える」「チップ性能の飛躍的向上を実現」などと相次いで報道し、ファーウェイの新たな定律を大々的に宣伝した。

一方、中国のSNSや掲示板では辛辣な声が噴出した。

「華為の『韜定律』とは、またしても巧妙に包装された宣伝文句に過ぎない」
「自動車分野で『遥遥領先(はるか先を行く)』と誇張して評判を落としたのに、今度は半導体でも始めるのか」
「結局、本当の技術的突破ではなく、『業界の法則っぽいものに名前を付けて遊んでいる』だけだ」
「EUV露光装置は作れないから放り出して、別の土俵で勝ったことにしている」

さらに、「株式構成も不透明な民間企業が、国際会議の場で政治スローガンのような言い回しで独自の法則を発表し、それを革命的だと称して業界発展の原則だと言い出した。だが、その理論的根拠は何か、業界で認められているのか、教科書に載るのか、ノーベル賞級なのかといった点は一切重要視されていない。重要なのは盛り上がることであり、『勝った』という空気を作ることだけだ」との批判も投稿された。

また、何氏が会議で発表した「A Time Scaling Theory for Multi-Layer Electronic Systems」は、研究論文ではなく展望・意見論文にすぎず、IEEEや学術誌による査読も受けていないとの指摘も出ている。τの具体的測定方法や等価換算式も示されておらず、「学界で認められた新たな法則ではなく、華為による企業宣伝スローガンだ」とする声が目立った。

ネット上ではさらに、「これは典型的に話を盛りすぎた例だ。半導体積層技術は本質的には設計能力向上の成果であり、現在中国が直面している製造プロセスの問題とは何の関係もない。しかも積層技術自体は新技術ではなく、IntelやAMDは何年も前からやっている。彼らはこんな大げさな宣伝をしていない」

「業界全体が取り組んでいる技術に新しい名称を付け、自社の成果のようにマーケティング利用しているだけだ。自動車業界で一般的な運転支援技術を『高級知能運転』と呼び替えているのと同じ」との批判も上がった。

新唐人