社会主義が米国をむしばむ トランプ氏 共産主義の脅威を警告

2026/07/06
更新: 2026/07/06

民主社会主義者の1人がニューヨーク市長選で勝利したのに続き、この極左陣営からさらに3人の候補が東西両海岸の連邦議会議員予備選で勝利した。この赤い波は、トランプ氏にわずか1か月の間に3度、共産主義が米国にもたらす脅威について警告させることとなった。

米国建国250年の前日、トランプ米大統領はラシュモア山で米国の誕生を記念する演説を行い、共産主義を激しく批判した。

「今、共産主義の脅威がわれわれの国で息を吹き返している。その中には新たな移民の一部も含まれる。彼らが信奉する思想は、われわれの生活様式や偉大な成果とはまったく異なる。これは単に税制や規制をめぐる政治的相違ではない。共産主義は米国の自由にとって致命的な脅威である」

「これはわれわれの国にとって最大の脅威であり、第一次世界大戦、第二次世界大戦、真珠湾攻撃、さらには9・11事件をも上回る」

トランプ氏はここ1か月のうちに3度、共産主義を批判している。

6月3日、トランプ氏はSNSに「共産党は初期にはいつも有権者の支持を得ることができる……しかし最終的には、国も、州も、都市も破滅へ向かう」と投稿した。

また6月26日には、トランプ氏は信仰と自由連盟大会で、ニューヨークで最近当選した共産主義者らを再び批判した。

「共産主義は売り込みやすい……誰もが無料で食べられる……すべて無料だ……問題は、2、3年後には国が廃墟になることだ」

トランプ氏が上記の発言をする数日前、民主社会主義勢力は再び拡大していた。ニューヨーク市長ゾーラン・マムダニ氏が支持した2人の米国民主社会主義者候補が、ニューヨーク州連邦議会議員の民主党予備選で勝利し、ロサンゼルスでは別の民主社会主義者候補が、市長選予備選でトランプ氏の支持する挑戦者を破った。

民主社会主義の波、政界を席巻

ニューヨーク州で勝利した2人の候補はいずれも、アメリカ民主社会主義者協会の支持を受けていた。同協会は米国最大の社会主義組織であり、10万人を超える会員を擁し、全米50州に支部を置いている。

同協会は公式サイトで「資本主義とは、ブルジョア階級が自らの利益のために設計した、人民を搾取する制度である。われわれはこれを民主社会主義に置き換えなければならない。この制度の下では、一般市民が職場、地域社会、社会の中で真の発言権を持つ」としている。

アメリカ民主社会主義者協会の公式サイトはマルクスや共産主義に言及していないものの、同協会が支持する候補者はマルクスや共産主義を崇敬しているように見える。

ニューヨーク州連邦議会議員の民主党予備選で勝利した候補の1人は、アビラ・シェバリエ氏である。同氏はかつてツイッターのアカウントで、カール・マルクスの著作を「必読の書」と呼び、図書館が提供するマルクス主義文献が不十分だと不満を述べ、殺人警官犯として有罪判決を受けたアサタ・シャクールの言葉を引用して「宇宙は資本主義のあらゆる失敗の完璧な実例をわれわれに押しつけている。それでも人々は、われわれが共産主義者になるべきではないと考えている」と述べた。

共産主義は19世紀にさかのぼる。当時、強い影響力を持つ作家であるカール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスが『共産党宣言』を発表し、産業革命が生んだ階級分化の終結を呼びかけた。マルクスとエンゲルスは共産主義を宣揚した。彼らは、富が少数者の手に集中するのを防ぐため、私有財産を廃止し、労働者階級が社会の生産手段を管理すべきだと考えた。

マルクスの共産主義理論は、ソ連や中国共産党などの共産党政権を生み出した。ソ連の大粛清と中国共産党の文化大革命は、いずれもその苛烈さで知られている。

共産主義がもたらす死と災厄

トランプ氏は7月3日、米国建国250周年を記念する演説で「この制度は、他のいかなる制度よりも多くの死と破壊をもたらした」と述べた。

「前世紀だけで、それは1億人の命を奪った。共産主義は、生命、自由、幸福の追求とはまったく逆である。それが意味するのは死、暴政、そして邪悪の追求である」

1958年から1962年にかけて、毛沢東は大躍進政策を発動し、人類史上最悪の飢饉を引き起こした。これによる飢饉と経済運営の失敗により、推計で1500万人から5500万人が死亡した。

また1966年から1976年にかけて、毛沢東は文化大革命を発動した。これは中国社会から資本主義と伝統文化を一掃することを目的としたもので、毛沢東は「紅衛兵」を派遣して知識人を弾圧し、数百万人の命を奪い、歴史遺跡を破壊した。

共産主義が人民に死と災厄をもたらすのは、独裁者の残虐性だけが理由ではなく、その理論体系が人間性に反しているからでもある。マルクス理論は社会主義を共産主義の初級段階と呼んだ。旧ソ連、現在の中国、北朝鮮、ベネズエラはいずれも自らを社会主義国家と称している。

米シンクタンク「客観標準研究所」の研究員アンジェリカ・ウォーカー=ワース氏は、社会主義は人々が努力して得た成果を奪うため、人々が自らの境遇を改善しようとする動機を弱めると論じた。社会主義政策がいったん実施されると、その中で暮らす人民の生活に壊滅的な影響を及ぼす。

ウォーカー=ワース氏は、社会主義政策を推進するためには、政府が人民の財産を管理しなければならないと指摘した。すなわち、企業を完全に国有化するか、企業に何をどれだけ生産すべきかを強制的に定めるか、その製品を没収して分配するかである。これは人民が自らの労働の成果に対して持つ権利を侵害するものだ。

「どれほど懸命に働いても、どれほど大きな成果を上げても、どれほど多くの価値を生み出しても、それらはあなたの収入には反映されない」とウォーカー=ワース氏は述べた。

社会主義政策は、個人が自らの境遇を改善する能力を厳しく制限し、生産力の低下と生活水準の急激な悪化を招く。歴史上のソ連の状況や、現在のベネズエラと北朝鮮の現状がそれを示している。

ソ連では、政府が個人財産を没収し、賃金を定めることで、60年にわたり続いたGDP成長の成果を公平に分配しようとした。しかし、一般市民の購買力は大幅に低下した。経済学者マーク・ハリソン氏は「消費財とサービスの分配は、希少性と特権性を帯びていた。ソ連の成人は誰もが収入を得ることができたが、収入は彼らが商品やサービスを得られるかどうかを決めるものではなかった。それを決めたのは、彼らの政治的、社会的地位であった」と説明している。

ベネズエラでは、社会主義がかつて繁栄していた国を苦境に陥れた。大学教授たちは、どうにか生活を成り立たせるために複数の仕事を掛け持ちしなければならない。他の人々は絶望的な状況から逃れようとした。近年、すでに600万人以上が故郷を離れ、2017年の同国の自殺率は世界平均のほぼ2倍となった。

北朝鮮政権は、拷問、厳格な検閲制度、強制労働、恣意的拘束など、ぞっとするような人権侵害を含む広範な苦難を人民にもたらしている。その政策は、北朝鮮国民の半数近くが食料と飲用水の供給不安に直面する状況も招いている。これは、ここ数十年にわたり経済的繁栄を遂げてきた韓国とは鮮明な対照をなしている。

民主社会主義は米国に不幸をもたらす恐れ

現在、民主社会主義の波が高まっていることは、それが米国に不幸をもたらすのではないかという懸念を抱かせている。

6月3日、トランプ氏はホワイトハウスでの記者会見で「私はすでに共産主義の現状を見てきた」と述べた。これは、ニューヨーク市長マムダニ氏がニューヨーク市で推進している高福祉政策を指したものだった。

選挙期間中、マムダニ氏が有権者に約束した施政綱領には、ニューヨーク市のすべての家賃規制対象アパートの家賃凍結、利益ではなく低価格の維持を目標とする市営食料品店ネットワークの構築、市内バスの無料化、6週から5歳までのすべての子どもへの無料保育サービスの拡大、2030年までにニューヨーク市の最低賃金をほぼ2倍にすることが含まれていた。

しかし、不動産研究者らは、4年間の家賃凍結は多くのビル所有者にとって壊滅的なものとなり、純営業収益を恒久的に低下させると指摘している。民間食料品店の所有者は、不当な価格競争の圧力を受けることを懸念している。無料バス計画には、ニューヨーク市に毎年6億3千万ドルから10億ドルの費用がかかる。

こうした高福祉目標を実現するため、マムダニ氏は企業とニューヨークの富裕層への増税を計画している。マムダニ氏は法人税率を11.5%に引き上げ、ニュージャージー州の税率と同水準にする計画だ。また、年収100万ドルを超える人に対し、追加で2%の税を課す計画も立てている。

ニューヨーク州には現在、9段階の個人所得税区分があり、税率は4%から10.9%までである。法人所得税は累進税率を採用しており、税率は6.5%から7.25%までである。さらに、ニューヨーク市民は3.876%の市税も納める必要がある。ニューヨーク市の最富裕層は、すでに全米で最も高い非連邦所得税を納めている。

マムダニ氏の富裕層から取り、貧困層を救済する政策は、企業家の流出を促している。

今年5月、マムダニ氏はヘッジファンド大手のケン・グリフィン氏が所有する、2億3800万ドル相当の記録的なミッドタウンのペントハウスを背景に、同氏を批判し、ニューヨーク市の豪華な第二住宅を対象とする税制案を宣伝した。

グリフィン氏はこれに衝撃を受け、同氏のヘッジファンド「シタデル(Citadel)」によるパークアベニューの60億ドル規模の開発プロジェクトを取りやめると警告した。また、CNBCに対し、この「身の毛もよだつ」動画が、フロリダ州にある同社本社の拡張を促したと語った。

シタデルの幹部は、過去5年間でグリフィン氏と同社の責任者、チームメンバーが、約23億ドルの市税と州税を納めたと主張している。グリフィン氏本人はまた、ロビン・フッド財団、メモリアル・スローン・ケタリング特殊外科病院、サクセス・アカデミー・チャーター・スクール、ニューヨーク近代美術館などの機関に、慈善事業のため6億5千万ドルを寄付した。

マムダニ氏によるグリフィン氏への攻撃は、アポロ・グローバル・マネジメント社幹部の懸念も強めた。同社幹部は、フロリダ州またはテキサス州に最大1千人規模の新拠点を開設することを決定した。これはニューヨークの従業員数と同規模である。アポロは9千億ドルの資産を運用している。同社が2025年に納めた所得税総額は約12億8千万ドルであった。

マンハッタン研究所の上級研究員ジョン・ケッチャム氏は、マムダニ氏が富裕層を攻撃したいという願望によって、最終的にニューヨーク市の富裕層の数を減らし、課税対象を減らす結果になると気づくかもしれないと警告した。同氏は「ニューヨーク市は競争上の優位性を失いつつあり、マムダニ市長はその競争力を大きく低下させている」と述べた。

エンパイア公共政策センターのジルヴィナス・シレナス会長も同様の見方を示した。同氏は「税収は大幅に減少するだろう。ニューヨークの納税者の1%が税収の半分を負担している。人々をニューヨークに引き寄せているのは、まさにこうした金融関連の仕事である。もしこれらの仕事が突然消えれば、ニューヨークの輝きと活力もそれに伴って失われる」と述べた。

親ビジネス団体「ニューヨーク市パートナーシップ」の推計によると、マムダニ氏の発言は毎年、金融業の雇用2700件の流出と、州・市合わせて1億6800万ドルの税収損失を招く可能性がある。

民主社会主義もなお社会主義である

オーストリアの経済学者で哲学者のルートヴィヒ・ハインリヒ・エドラー・フォン・ミーゼスは早くから、民主社会主義もなお社会主義であり、「それは機能しない」と指摘していた。

自由主義経済学者らは、民主社会主義は政府が生産手段を直接奪取するものではなく、規制、税制、強制的な規定、官僚的管理を含む、政府による民間部門への幾重もの介入を通じて実現されるものだと説明している。一つひとつの介入は市場の働きをゆがめ、効率低下と危機を生み、それが逆にさらなる介入を招く。このような循環が繰り返されることで、国家権力は絶えず拡大し、経済的繁栄は絶えず縮小する。

ケイトー研究所の上級編集者マイケル・チャップマン氏は、民主社会主義が米国で実践された一例として、オバマ医療保険制度の補助金を挙げた。これらの補助金は2025年末に期限を迎える。補助金はもともと保険市場を安定させることを目的としていたが、期限切れにより保険料を押し上げることになる。政府は医療保険への介入を通じてこの不安定さを生み出し、今また再び介入しようとしている。政府は10年間で4150億ドルを費やし、自らが生み出した問題を解決しようとしている。

トランプ氏は7月3日、サウスダコタ州で空軍州兵の将兵らを前に次のように述べている。

「無神論的な共産主義の道徳観は、非人道的なビジョンといわゆる善を実現するためには、いかなる手段も正当化されると考える」

「彼らは法律、正義、原則、伝統を尊重せず、神があなた方に与えた権利も尊重しない。これは大規模な窃盗、大規模な支配、大規模な嘘、大規模な虐殺のイデオロギーである」

「米国は決して共産主義国家にはならない」

韓江