欧州で暴動相次ぐ トランプ氏「米国では起こさせない」

2026/10/21
更新: 2026/10/21

フランスで大規模な抗議行動が暴動に発展し、約1千人の警察官が負傷した。店舗が暴徒に破壊され、市庁舎も放火された。トランプ米大統領は19日、カンザス州で開かれた選挙集会で、急進左派の影響によって米国でも同様の混乱が起こりかねないと警告し、米国では決して起こさせないと強調した。

「フランスで教会の尖塔が燃え、炎が激しく上がっている光景を見たら、覚えていてほしい。急進的な民主社会主義者が米国でやろうとしているのは、まさにこういうことだ。彼らは成功できると思っているが、思い通りにはさせない」

トランプ氏は、10年前からこうした事態が起きると予想していたと述べた。「彼らはキリスト教を憎んでいる。率直に言えば、西洋文明そのものも憎んでいる。欧州で目にしているように、グローバリストの左派政治家は自国を裏切り、第三世界の移民を数百万人規模で受け入れてきた。彼らは西洋文明とも、西洋の価値観とも相容れない。彼らはフランスのあらゆるものを軽蔑し、この国を破壊している。米国で同じことを起こさせるつもりはない」

また、今回の暴動の背景には、移民やジハード主義者、共産主義者による「赤緑連合」があると主張した。

ヴァンス米副大統領もXに投稿し、欧州の国境開放政策を批判した。「彼らは第三世界の人々をフランスやほかの国々に受け入れながら、同化や社会への適応という根本的な問題を無視してきた。こうなると以前から警告されていたにもかかわらず、耳を貸さなかった」と指摘した。

フランス政府は19日、パリの一部地域で午後8時から20日午前6時まで集会やデモを禁止した。今後、夜間外出禁止措置をさらに拡大する可能性もある。

フランス大統領選まで約半年となる中、最新の世論調査では、保守派政治家のマリーヌ・ルペン氏が約35%の支持を集め、ほかの候補をリードしている。

仏伊の暴動拡大 軍動員へ

20日、フランスとイタリアは相次いで、街頭での暴力行為や新たな抗議活動に対応するため、軍部隊を動員する準備を進めていると明らかにした。

フランスのルコルニュ首相は、24日に再び大規模なデモが行われる見通しを受け、厳重な警備態勢を敷く方針を示した。

ヌネズ内相は20日の議会で、テロ対策を担う「サンティネル作戦」の部隊を動員し、重要施設の警備を軍に担わせる準備を進めていると説明した。これにより、より多くの警察官を街頭での治安維持に振り向ける考えだ。

サンティネル作戦には現在、フランス全土で約1万人の兵士が配置され、学校や駅、空港など重要施設の警備に当たっている。

政府はこのほか、事前に届け出がなく、暴動に発展する恐れのあるデモを禁止することも検討している。過激派などの動向を事前に把握するため、情報収集も強化する方針だ。

政府が警戒を強めているのは、先週末、各地で生活費の上昇に抗議するデモが行われたが、一部が暴動に発展した。140年以上の歴史がある中部リモージュの市庁舎も放火され、大きな被害を受けた。

同様の混乱はイタリアでも起きている。

イタリアのタヤーニ副首相兼外相は20日、警察権限を付与された兵士500人をミラノに配置する準備を進めていると明らかにした。

17日、ミラノでは生活費の上昇に抗議するデモの一部が暴徒化した。店舗のショーウインドーが割られ、スーパーでは略奪が発生した。警察に石や瓶、発炎筒を投げつける者もいた。

混乱は翌日まで続き、警察官14人が負傷した。270人以上が拘束され、その約8割を未成年者が占めた。

タヤーニ氏は、平和的な抗議は認めるが、破壊や略奪は犯罪だとして、政府が厳しく対応する姿勢を示した。

一連の暴力行為については、背後に組織的な計画があったかどうかも調べる方針だ。

メローニ首相も閣僚や治安当局幹部を招集し、今後の対応を協議した。