トランプ米大統領は1月7日付の米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューで、マドゥロ大統領の逮捕作戦に言及し、この行動が国際的な波及効果をもたらす可能性を懸念する声に答えた。この種の行動が、中国共産党(中共)やロシアによる台湾やウクライナへの軍事行動を正当化する口実になり得るとの指摘に対し、トランプ氏は「状況はまったく異なる」と述べ、両者を同列に論じることを否定した。
トランプ氏は、マドゥロ政権下のベネズエラがアメリカにとって「現実的な脅威」となっていると強調。犯罪やギャング問題が放置され、大量の犯罪者や麻薬がアメリカに流入していると非難した。一方で、中国と台湾の関係にはそのような状況は存在しない、台湾の刑務所が開放され、人が中国に流れ込んでいるわけでも、犯罪者がロシアに流入しているわけでもないと述べた。
記者は、習近平が台湾を分離主義の脅威とみなしている点に触れると、トランプ氏は中共が行動を起こすかどうかは「習近平次第だ」と述べ、自身はこれまで習に対し、台湾に武力行使すれば「非常に不快に思う」と伝えてきたと明かした。そのうえで、自分は習近平がそうした行動に出るとは思っておらず、またそうなってほしくないとも語った。
さらに、国際情勢の混乱に乗じて習近平が台湾に対する攻撃や封鎖に踏み切る可能性について問われると、トランプ氏は、自身の在任中に中共が軽率な行動を取ることはないとの見方を示し、「そうした事態はアメリカ大統領が交代した後に起こるかもしれないが、私の任期中には起きないだろう」と述べた。
インタビューでは、大統領として世界各地で軍事行動を命じる権限の限界について、自分を制約する唯一のものは、「自分自身の道徳観だ」と語った。「私を止めることができるのはそれだけだ。国際法を必要としているわけではないし、誰かを傷つけたいとも思っていない」と述べている。
一方、ベネズエラでの軍事作戦がもたらした影響は、中国本土にも広がっている。海外の中国語メディア「人民報」によると、中国のネットユーザーの間で、高徳地図、百度地図、テンセント地図といった主要地図サービスで「中南海」を検索しても、「該当地点が見つかりません」と表示され、北京市通州区など別の地域に誘導する現象を確認している。
この動きはSNS上で話題となり、「中南海を地図から消しても、アメリカ軍は高徳地図を使わないだろう」と揶揄する投稿も見られた。アメリカ軍が行動力を示したことで、中共指導部が安全保障や政治リスクを改めて見直さざるを得なくなっているとの見方が広がっている。
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