イラン情勢 180都市と町500カ所以上で抗議デモ

イラン抗議デモへの弾圧強化「死刑適用」警告 トランプ氏介入示唆

2026/01/11
更新: 2026/01/11

イラン全土に広がる抗議デモは1月10日の夜通し続き、テヘラン当局は弾圧を強化しているものの、デモが継続していることを認めた。一方、トランプ米大統領は、イラン政権が抗議者に対して致死的な武力行使をエスカレートさせるならば、米国が介入するという警告を繰り返した。

一連のデモは、インフレ急騰とイラン・リアル暴落をめぐって2025年12月28日に始まったが、その後、イランの宗教指導者に対する広範な政治的挑戦へと発展した。イラン当局は、全国的なインターネットおよび電話へのアクセスを遮断し、情報の流れを厳しく制限して犠牲者数の確認を困難にさせた上で、より厳しい対応への準備を示唆した。

1月10日、イラン当局者はさらに言葉を強めた。モハンマド・モバヘディ・アザド検事総長は、デモに参加する者は誰でも「神の敵」として扱われると警告した。この罪はイランの法律の下で死刑に相当する。AP通信が引用したイラン国営テレビによると、この指定は抗議者を支援したと告発された者にも適用され、検察官は寛大さなしに迅速に動くよう指示された。

アザド検事総長は声明で、「検察官は遅滞なく慎重に起訴を行い、国を裏切り不安を煽ることで外国による支配を目論む者たちとの裁判および決定的対決の土台を整えなければならない」と述べた。「手続きは、寛大さや同情、手加減なしに行われなければならない」としている。イランの精鋭部隊である革命防衛隊による1月10日のメッセージは、安全保障の維持は超えてはならない「レッドライン」であるとデモ参加者に警告し、「テロリスト」が近年、軍や法執行機関の基地を標的にしていると非難した。

イランの正規軍も声明を出し、「国家の利益、国の戦略的インフラ、および公共財産を保護・防衛する」と述べた。イランのタスニム通信は、テヘラン近郊のバハレスタンの町で100人の「武装した暴徒」が逮捕されたと報じた。

7人の子供を含む犠牲者が増加

米国を拠点とする人権活動家通信社(HRANA)の1月9日の最新の推計によると、過去13日間のデモによる死者数は少なくとも65人に増え、2,300人以上が拘束されている。死者の中には50人の抗議者(7人の子供を含む)のほか、14人の法執行機関または治安部隊のメンバー、および1人の政府系民間人が含まれている。

デモは180の都市と町の500カ所以上で報告されているが、HRANAは通信遮断の中で正確な数字を確認することは困難であると警告した。イラン北西部の医師はロイターに対し、病院が1月9日以降、ひどい暴行や頭部の負傷、骨折、深い切り傷を負った多数の負傷者を治療したと語った。少なくともある病院では20人の患者が実弾による銃創の治療を受け、そのうち5人が後に死亡した。

イラン西部の目撃者は、電話取材に対し匿名を条件に、革命防衛隊が配備され、その地域で発砲していると語った。イラン国営メディアは治安部隊側の死傷者を強調しつつ、秩序は回復したと報じている。国営テレビは、国の大半で夜間の平穏が保たれたと伝えた。一方で、これらの主張はAP通信によって検証されたビデオと矛盾しており、そこにはテヘランのサアダト・アバド地区で大群衆がデモを行い、最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師に対するスローガンを唱える様子が映っていた。

トランプ氏繰り返し警告、ルビオ氏抗議者へ支持表明

ハメネイ師は、ワシントンが「暴徒」と呼ぶ勢力を支援していると非難し、弾圧が差し迫っていることを示唆した。ハメネイ師はSNSへの一連の投稿で、米国は状況を見誤っており最終的に失敗するだろうと述べ、抗議者は米大統領を喜ばせるために暴力行為に及んでいると主張した。

トランプ大統領は、テヘランの政権に対して数回にわたり警告を発した。1月4日、大統領は記者団に対し、自身の政権が状況を注意深く監視していると述べ、イラン当局がデモ参加者の殺害を開始すれば、米国は強力に対応すると語った。1月9日にも、同大統領はその警告を繰り返し、イランの指導者たちに対し、抗議者に致死的な武力を使用しないよう警告した。

ホワイトハウスでの石油会社幹部との会合中、大統領は記者団に対し「イランは大変な事態に陥っている。彼らは自国民を非常にひどく扱い、今その報いを受けている」と語った。「我々は状況を非常に注意深く見守っている」とトランプ氏は続け、「彼らが過去のように人々を殺し始めるならば、我々は関与するという声明を非常に強く出した」と述べた。また、「それは地上部隊の投入を意味するのではない」と明確にしつつ、「彼らが最も痛手を受ける部分を、非常に、非常に激しく叩くことを意味する」と付け加えた。

トランプ大統領は2026年1月3日、フロリダ州パームビーチのマー・ア・ラゴ・クラブからベネズエラにおける米軍の作戦を監視(Molly Riley/The White House via Getty Images)

マルコ・ルビオ国務長官も米国の支持を表明し、政権による抗議者への弾圧が進む中、ワシントンは「イランの勇敢な人々」と共に立つとSNSに投稿した。国務省も別途、トランプ氏の決意を試すべきではないとテヘランに警告し、Xへの投稿で、大統領が行使を予告したときにはそれを実行するつもりであると記した。「彼が何かをすると言えば、それは本気であることを意味する」。

The Epoch Times上級記者。ジャーナリズム、マーケティング、コミュニケーション等の分野に精通している。