米・イスラエルのイラン攻撃は中共に打撃 ゴードン・チャン氏

2026/03/04
更新: 2026/03/04

中東の勢力図の変化は、昨年5月に米トランプ大統領が湾岸3か国を訪問したことから始まった。トランプ氏はこの訪問で数千億ドル規模の取引を成立させ、関係の再構築を進めた。

中国問題アナリストで『プラン・レッド:アメリカ破壊を狙う中国のプロジェクト』の著者、ゴードン・チャン氏は、EpochTVの番組「米国思想リーダー」に出演した際、「トランプ氏による中東歴訪、特に湾岸3か国への訪問は、中国とロシアをこの地域から押し出す結果となった。それ以来、中東におけるロシアと中国の影響力はさらに低下しており、その流れは2月28日のイラン攻撃で頂点に達した」と述べた。

チャン氏によると、アメリカとイスラエルによる対イラン攻撃は、中国共産党(中共)の影響力の限界を露呈させた。また、ベネズエラでのアメリカの作戦と同様、直接衝突することなく、中共のグローバルな影響力を削ぐ結果になったという。

チャン氏は、トランプ氏の最近の一連の行動は中共に対する明確なメッセージだと指摘する。

「私の任期中には許さない、ということだ」

さらに「これはアメリカ国民が聞くべきメッセージだ。なぜなら、私たちは自国の力を過小評価しがちだからだ」としている。

「アメリカには『中国がやがて世界を支配する』と言う人が多くいる。しかし、そうではない。我々はそんな(弱腰な)存在ではない。それはアメリカ人のDNAにはない」と述べた。

代理戦争なのか

チャン氏は、トランプ政権の国家安全保障戦略にも言及した。同戦略では中国を直接名指することは多くないものの、南シナ海などの地域で敵対勢力がアメリカの自由な航行や貿易を妨げることは許さないと明記している。

チャン氏は、これは「トランプ大統領の頭の中では、中国が最優先の課題である」ことを示していると述べた。

「トランプ大統領は中国(中共当局)を追い詰めていると私は見ている。ただし直接ではなく、間接的な形で行っている。彼は中国の支援基盤と供給源を断とうとしている」

例として、チャン氏はベネズエラとイランでの作戦を挙げた。これらの作戦は、中国が依存してきた格安の石油を遮断することになるという。

中国はこれまで、国際制裁下にあるイラン産原油を市場価格より大幅に安い価格で購入する事実上の最大の顧客だ。ベネズエラ産原油も同様に破格のディスカウント価格で買い叩くことで利益を得てきた。しかし、両国の指導者の不在により、中共がこれらの地域で影響力を拡大し、影響力を行使する能力も弱まる。

チャン氏はさらに、ベネズエラの石油はキューバにとっても生命線だと指摘した。キューバには中共の軍事拠点もある。トランプ氏はパナマとの関係を立て直し、パナマ運河に対する中共の影響力を排除した。

「これは自由が前進している証しだ」とチャン氏は述べた。

さらに、中共のこれまでの対応が口先だけの批判に留まっている事実は、「中国が超大国ではない」ことを裏付けていると指摘する。

同氏は「中国は常にアメリカを批判する。しかし、アメリカが何かを決断すると、中国はそれを止める術がない。これは中国の力の限界を示している」と説明した。

一部の報道では、中共が中東の混乱を利用してアメリカの注意をインド太平洋からそらそうとしていると伝えている。しかしチャン氏は、中東での断固とした行動こそが中共にとって痛手であり、ウクライナも同様の事例だと見ている。

「中国はウクライナを一つのテンプレート、そして未来の雛形として見ている。台湾の人々は、自分たちの未来がウクライナの戦場で決まると言っている」

「もしアメリカがロシアによる侵略によって奪われた領土の保持を認めれば、中国(中共当局)も同様なことが可能だと考えるだろう。台湾や日本の一部、あるいはフィリピンを強奪しても、アメリカはそれを受け入れると判断してしまう」

「世界のどこか一地域で行われる行動は必ず他の地域に波及することを我々は理解しなければならない。国際情勢は決して孤立したものではない」

同氏は「だからこそ、この局面で勝利し、イランを自由な社会へと変えることが極めて重要だ。それを実現できれば、中国は非常に困難な立場に追い込むことができる」と締め括った。

「イランはイラクではない」

チャン氏は、トランプ氏がこれ以上の海外戦争を行わないと公約していたため、今回のイラン攻撃に驚きや戸惑いを覚えたアメリカ国民がいるのも理解できると述べた。しかし今回の作戦は過去の長期戦とは異なり、結果としてより多くの命を救うことになると考えている。

チャン氏は「あの政権(イラン)を排除しない限り、中東、さらには世界全体に平和が訪れることはない。あの政権は自らをアメリカの敵と宣言している」と述べた。

チャン氏は、2025年12月にイラン大統領がアメリカと「戦争状態にある」と発言したことや、同政権が資金提供するテロ活動、2023年にイランと関連があるとされるペンシルベニア州の水道システムへのサイバー攻撃を挙げた。

「イラン政権は退場しなければならない。核兵器開発計画を持ち、弾道ミサイルも保有している。国際社会の脅威となっている」

チャン氏は、同政権が「自国民を数万人規模で処刑している」状況の中で、イランの核開発を言葉だけで非難し続けることは「受け入れられない」と述べた。

さらに、フランスの思想家アレクシ・ド・トクヴィルの言葉を引用し、歴史が示す通り、民主主義国家は戦争を決断するのが遅く、それが時として事態を長引かせるだけだと指摘した。

「私たちはオサマ・ビンラディンを無視した。1993年2月、世界貿易センター北棟爆破で6人のアメリカ人が殺害された後も彼を無視し続けた。そしてある日、彼は再び攻撃し、2977人のアメリカ人が殺された。その時になって『なぜこうなったのか』と言った」と述べた。

また、ナチス・ドイツが軍備拡張を進めた際、イギリスとフランスが同様の対応を取ったことにも言及した。もし早期に行動していれば、数千万の死者と第二次世界大戦を避けられたかもしれない。

同氏は「トランプ大統領が『その脅威を放置しない』と決断するまで、私たちは今世紀のイギリスとフランスのような存在だった」と語った。

チャン氏は、トランプ氏の行動は、体制の再建ではなく封じ込めによって衰退を管理するという「管理された衰退」の理論に従ってきた数十年の政策を覆すものだと述べた。

また今回のイラン作戦は、依存を生むような援助ではなく、長期的なビジネスチャンスを提供することで早期の自立を目指すと見ている。

トランプ氏も、イランでの作戦は4~5週間で完了するとしており、すでに予定よりも早く進んでいると述べた。

チャン氏は「イランはイラクではない。イランには長い伝統がある。その伝統は神権体制によって47年間中断されてきた。しかしイラン国民はこれを正すだろう。私たちは、自由を求めるイランの人々がいかに多いかを、これまでに何度も目にしてきた。これはイランがうまく機能することを示す重要な証拠だ」と語った。

チャン氏はまた、共和党、民主党、無党派を問わず、すべてのアメリカ人が大統領とアメリカを支持するよう呼びかけた。

「これは私たちの世代にとっての闘いだ。それを認識すべきだ。アメリカは中国よりはるかに強い社会だが、必要な決意と行動で守らなければ、国を失う可能性もある」

チャン氏は、現在は「極めて重要な瞬間」だとも述べた。

中共政権が、西側には見えない国内事情によって突然行動に出る場合もあるという。

チャン氏はレーニンの言葉を引用し、次のように述べた。

「レーニンが言ったように、数十年もの間、何も起きないこともあれば、数十年分の出来事がわずか数週間で起きることもある。まさに今、私たちが置かれているこの数週間は、数十年分の歴史が動いている時なのだ。私たちは一刻の猶予もなく、警戒を強めなければならない」。

ニューヨークを拠点とするエポックタイムズ記者。
エポックタイムズのシニアエディター。EPOCH TVの番組「米国思想リーダー」のパーソナリティーを務める。アカデミア、メディア、国際人権活動など幅広いキャリアを持つ。2009年にエポックタイムズに入社してからは、ウェブサイトの編集長をはじめ、さまざまな役職を歴任。ホロコーストサヴァイバーを追ったドキュメンタリー作品『Finding Manny』 では、プロデューサーとしての受賞歴もある。